Google for jobs(Googleしごと検索)が採用に与える影響とは?企業、求職者からの視点や対策について解説

 

2019年1月にGoogle for jobs(Googleしごと検索)が日本でリリースされ、採用市場に新たな風が吹き始めました。サービスが浸透していくにあたって、採用市場への影響が懸念されます。今回は、Google for jobs(Googleしごと検索)が採用市場に与える影響や対策について解説していきます。

1.Google for jobs(Googleしごと検索)とは?

Google for jobs(Googleしごと検索)とは、求人情報サービスの一つで、世界で先駆けてリリースされ、日本では2019年1月に利用可能となりました。

これまで求職者は、Googleなどの検索エンジンを利用して、「東京 求人」のように検索をかけ、採用ページにアクセスしたり、求人情報検索エンジンであるIndeedで検索をしていました。
企業も同様で、求人情報をweb媒体や紙媒体に掲載したり、Indeedで求人情報を作成していました。そこでは求職者が目に入りやすいぺージ前半や上位に表示される企業が多く選ばれ、自社の求人情報を見つけられない、求人をかけても十分な効果が得られないということがありました。

それに対して、Google for jobs(Googleしごと検索)では、検索エンジンで検索した結果として、Google内のトップページに求人情報が表示されるようになりました。より求職者が希望に合った求人情報を見つけやすく、企業は求人情報をアピールしやすくなったと言えます。注意したいのは、Google for jobs(Googleしごと検索)が始まったからといって、自然に求人情報が表示されるのではないという点です。

Google for jobs(Googleしごと検索)に対応し、効果的に求人をする対策が必要です。対策を見ていく前に、Google for jobs(Googleしごと検索)やこれまでの採用市場について、チェックしていきましょう。

2.Google for jobs(Googleしごと検索)の特徴・できること

Google for jobs(Googleしごと検索)は、これまでの採用市場を変える可能性を秘め、海外から日本に上陸したために「黒船」とも表現されています。
Google for jobs(Googleしごと検索)の特徴や仕様がこれまでの採用媒体やツールとどのように異なるかに注目しながら、いくつかのポイントに分けて解説していきます。

2-1 検索ワードに合わせた求人情報がトップページ上部に表示される

Google for jobs(Googleしごと検索)は、検索エンジンでの求人を想起させる検索ワードに対して、求人情報をトップページに表示する機能を持っています。
求人情報が表示される位置には要注目で、必ずリスティング広告の下に表示されます。

広告部分を通過し、自然検索部分で表示される求人媒体から求人をさらに詳細に検索していくのがこれまでの流れでした。広告のすぐ下に求人のウィンドウがあるため、求職者にとって見つけやすく、企業にとってアピールしやすくなっています。自然検索で上位に表示されやすいIndeedやエン転職、タウンワークなどよりも、確実に上位に表示され、採用活動に効果的な情報提供が可能です。

2-2 絞込み検索で自分に合った採用情報を検索できる

Google for jobs(Googleしごと検索)では、条件を絞り込んだ検索をすることができます。職種、地名や距離で指定できる地域、最新情報を見つけやすい投稿日時指定、雇用形態、企業選択の5つの項目で、求める採用情報を探すことが可能です。興味のある企業が見つかっても遠方であったり、条件を良いが雇用形態がマッチしなかったりするなどの求職者と企業のミスマッチを防ぐ役割があります。

特に、求職者にとって便利な機能で、検索した企業で気になる情報を残しておきたい場合は、求人情報を保存することもできます。
他にも、検索ワードの傾向に合わせた検索結果を表示するAI学習や職種の正式名称ではなく、「○○の仕事」といったあいまいな検索にも対応していることなども採用情報を見つけやすくする機能です。

採用をする側の企業の担当者の方は、求職者がどのように自社の採用情報にたどり着いているのかを把握することで、掲載する情報などの工夫が可能になり、効果的な採用を期待することができます。

2-3 企業の評価・レビューを確認することができる

「ブラック企業」「働き方」といった言葉が定着している現代社会では、採用条件だけでなく、どのような企業であるかなどの評価やレビューのニーズも高まっています。Google for jobs(Googleしごと検索)で表示された採用情報のページを開き、スクロールすると企業レビューサイトの評価を確認することができます。
「会社の評判」「転職会議」「キャリコネ」などのレビューサイトの評価が星5個で表現され、口コミの件数もわかります。

それぞれにアクセスすると、実際に働いたことのある方の口コミもあり、求人応募の参考にすることができます。企業目線では、採用条件が良くても、評価によって応募を見送られる可能性もあるため、職場環境や人材育成などにも、より一層力を入れる必要があると言えます。

3.Google for jobs(Googleしごと検索)が登場するまでの採用市場をおさらい

Google for jobs( Googleしごと検索)は、これまでの採用情報の検索とは異なり見つけやすく、絞りやすくなり、企業と求職者がマッチしやすい求人サービスと言えます。Google for jobs(Googleしごと検索)がリリースされてから間もないため、これから徐々に採用市場で影響が現れていくと考えられます。

では、Google for jobs(Googleしごと検索)が登場する前の採用市場にはどのような特徴があったのでしょうか。採用市場のこれまでを知って、Google for jobs(Googleしごと検索)の特徴を改めて確認し、これからの採用市場を予想してみましょう。

3-1 主な採用情報の掲載方法を確認しよう

求人情報を求職者に見つけてもらうためには、ハローワークや求人雑誌、web媒体などに求人情報を掲載する必要があります。

自社のホームページやSNS、人材会社、人材派遣という方法もあり、迅速に採用したい時や人数を確保したい時、良い人材を採用したい時などの条件によって、掲載場所を変えて、条件に合った求人情報掲載を行うのが基本となっています。

3-2 求職者と企業のミスマッチが多かった

求職者が求人情報を探す際に、これまではハローワークや求人誌だった時に比べ、現代ではSNSをはじめとした様々な情報が溢れ、求人情報を得る機会も増えました。ただ情報が多すぎることもあり、自分の求める条件に合う情報を見つけられないことや、就職後に情報と現場の差を感じたりするなど、情報源の多様化がかえってミスマッチを引き起こしています。

求める情報を検索しやすくする、見つけやすくするというのが課題で、Google for jobs(Googleしごと検索)が解決に有効な手段となることが予想されています。

3-3 求人情報サイト「Indeed」が主流

テレビCMでも連日目にするIndeed。
Indeedは、求人情報に特化した検索エンジンで、求職者のニーズに応えるサービスとして、採用市場の中心となりました。自社の採用ページがなくても、Indeed内で採用情報を作成し掲載することができるため、企業にとっても利便性の高い採用サービスと言えます。求人に関わる検索に対して、Indeedは上位表示されることが多く、Indeedに関する検索結果から自社の応募ページへアクセスしてもらうという流れも期待できます。ただ求人を検索しやすいといっても、自社の採用情報にたどりついてもらえない可能性もあります。

そこで、トレンドとなっていたのが、自社採用ページとIndeedの両方を活用した積極的な求人です。知名度の高いIndeedで多くの求職者が情報を目にできるようにし、Indeedから自社採用ページにジャンプさせたり、自社採用ページのSEO対策によって、より的を絞った求職者の目に留まるようにしたりするなどでそれぞれに役割を持たせることができます。

これからはIndeedに加え、Google for jobs(Googleしごと検索)も加わり、いかに採用サービスを使いこなすかが採用市場で勝つ鍵となるでしょう。

4.Google for jobs(Googleしごと検索)が与える採用への影響とは?

Google for jobs(Googleしごと検索)の特徴やできること、採用市場のこれまでを踏まえて、Google for jobs(Googleしごと検索)が採用市場に与える影響を見ていきましょう。

ここでは、求職者と企業に分けて、Google for jobs(Googleしごと検索)の影響を考察しました。企業目線ではもちろんのこと、求職者目線の影響からも、企業に求められるGoogle for jobs(Googleしごと検索)対策を読み取ることができます。求職者、企業の双方からGoogle for jobs(Googleしごと検索)の影響を考えて、効果的な採用に生かしましょう。

4-1 求職者から見るGoogle for jobs(Googleしごと検索)の影響

求職者にとって、Google for jobs(Googleしごと検索)は使いやすくて仕事を見つけやすい待ちに待ったツールと言えるでしょう。検索エンジンから簡単に求人情報を見ることができ、これまで見つけられなかった求人情報に出会う可能性も高くなります。

検索条件の絞込み、検索結果の保存による求人の比較、AIによる自分にあった求人との出会いなど、求人情報の量だけでなく、自分にとって質の高い求人も期待できます。新たな求人情報サービスとして、求職者の求人情報検索に活躍することは確実です。Indeedなどの求人情報サービスを知らない若者や高齢者にとっても、Googleという世界的な検索エンジンで情報を獲得することができ、世代間の情報差も縮まると予想されます。

4-2 企業から見るGoogle for jobs(Googleしごと検索)の影響

企業にとっては、Google for jobs(Googleしごと検索)が、自社の採用にプラス効果を与えるか、マイナス効果を与えるかといった面で、影響をしっかりと把握する必要があります。Google for jobs(Googleしごと検索)が自社の採用に効果的であるかを見極めて対応を検討してみましょう。

4-2-1 Google for jobs(Googleしごと検索)は広告ではなく参入しやすい

求人情報を求人誌やIndeedに掲載するためには、広告費が必要です。
Indeedなどの求人情報サイトであれば、広告費によって求職者の目につきやすい上位表示がされるなど経費を確保できるか、経費に対する採用効果を期待できるかが大切になってきます。

Google for jobs(Googleしごと検索)は広告ではなく、自社の採用情報が表示されるように設定するだけで、求人をすることができます。これまで広告費が十分になかった企業や、費用対効果を考慮して求人対策に消極的であった企業も、自社サイトがあり設定さえできれば、採用市場に参入することができます。
多くの企業に求人のチャンスが増える反面、同じ職種や地域にある企業はライバルともなります。採用情報を見つけた求職者に自社を選んでもらうためには、魅力的に感じる強みや条件をしっかりと伝えることが不可欠です。

4-2-2 Google for jobs(Googleしごと検索)登場で採用形態によって異なる影響が出てくる

主な採用形態は、新卒採用、中途採用、アルバイト採用に分けられます。
新卒採用については、就職活動による採用がメインであるため、Google for jobs(Googleしごと検索)の影響は、大きくはないと予想されています。
ただ広告費がかからないことやGoogle for jobs(Googleしごと検索)が採用の仕方に変化を与えることを考慮すると、新卒採用にも影響を与える可能性があります。

Google for jobs(Googleしごと検索)が始まってから、就職活動はまだ行われていないため、導入後の結果のともなった分析はまだ行われていません。
・経営者の中途採用は、離職を経験した方など仕事を見る目があるため、しっかりと条件や魅力を伝えることが採用への近道となります。

都市に比べて人口の少ない地方では、求職者全体が少なく企業としても費用対効果が期待できない現状がありました。
Google for jobs(Googleしごと検索)は広告費がかからず、地方の企業でも求人情報を表示させることができ、場所を問わず活発に求人活動を行われることが予想されます。さらに絞込み検索で、地域や距離を指定できることもあり、より条件にあった人材の求人応募を期待することができます。

最後にアルバイト採用についてですが、人材の出入りが多いため、継続的な人材確保が求められます。広告費がかからず、継続的に求人情報を掲載できるGoogle for jobs(Googleしごと検索)は、販売・小売業などの業界でもアルバイトの確保が通年で期待できるサービスです。

5.企業はGoogle for jobs(Googleしごと検索)を活用した採用対策が不可欠

Google for jobs(Googleしごと検索)による影響は、求職者にとっては求人情報を見つけやすく、企業にとっては求人応募のチャンスが広がり、良い側面が多くあります。良い影響のあるGoogle for jobs(Googleしごと検索)を有効に活用できなければ、他の企業に求人のチャンスを奪われてしまうとも言うことができます。

Google for jobs(Googleしごと検索)で表示されるための準備などしっかりと対策をして、効果的な求人につなげましょう。

5-1 対策1:自社の採用ページを準備しよう

Google for jobs(Googleしごと検索)で採用情報を表示させるためには、自社の採用ページが必要です。そのためには、検索エンジンに自社サイトの求人ページが求人情報であることを認識させる必要があります。自社サイトに構造化データを追加すると、Google for jobs(Googleしごと検索)で表示されるようになります。Google for jobs(Googleしごと検索)の公式サイトに、構造化データの必須情報やコードが掲載されています。上手く動作しない場合についても記載があるため、公式サイトを参考に、構造化データを追加してみましょう。

他の手段としては、Google for jobs(Googleしごと検索)に対応している求人サイトシステム会社のシステムを導入する方法や採用管理システムを扱う会社を利用する方法があります。Google for jobs(Googleしごと検索)はまだリリースされたばかりですが、Googleは世界的な検索エンジンであり、求職者の多くが認知するまでに時間はかからないでしょう。

早めのGoogle for jobs(Googleしごと検索)への対策が大切であるため、担当者自身で構造化データを追加するのか、外部のサービスを利用するのかを選んで、早急に対策をするのがベストです。

5-2 対策2:マッチングした求職者がわかりやすい情報掲載をしよう

Google for jobs(Googleしごと検索)によって、求職者が採用情報にアクセスしやすくなりました。自社のページだけでなく、他社のページにもアクセスされやすいため、いかに自社の魅力を伝えて、求人応募につなげるかが大切です。

具体的な数値などの条件面をより詳しく掲載したり、社内のリアルな声を盛り込んでみたりするなど、求職者の目に留まる採用ページを作成しましょう。

6.Google for jobs(Googleしごと検索)の影響を把握して、採用に役立てよう

Google for jobs(Googleしごと検索)は、これまでの採用市場にはない検索表示や検索方法、広告システムがあり、採用の幅が広がったと言うことができます。
都市部だけでなく、地方にも採用の可能性が生まれアルバイト採用などの採用形態によって、費用対効果を高めることも可能です。

Google for jobs(Googleしごと検索)の良い影響を採用につなげるためには、自社ページの作成や適切な情報掲載などの対策が不可欠です。採用市場を変える影響力を持つGoogle for jobs(Googleしごと検索)対策をしっかりと行って、効果的な採用活動につなげましょう。

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