働き方改革と生産性の両立は可能?生産性向上に向けた取り組みを紹介

働き方改革という言葉が浸透してきている現代ですが、まだ波に乗れない企業がいるのが現実です。その理由としては、生産性が悪くなるということが第一の理由として多いですが、果たして本当に両立は難しいのでしょうか?

今回は働き方改革における、生産性向上との関係性について解説していきます。これから働き方改革を社内で実施しようと考えている方はぜひ参考にしてみてください。

 

1.働き方改革と生産性の関係性

働き方改革実行と生産性の向上を図ろうと考えている企業は、まずそれぞれの関係性について知っておく必要があります。まずは、それぞれの意味と関係性についてみていきましょう。

働き方改革とは

働き方改革とは2017年、政府によって設置された「働き方推進会議」において決定した「働き方改革実行計画」のことを意味します。今までなかなか「同一労働同一賃金の実現化」や「長時間労働の是正」などは実現に至りませんでしたが、この改革を機に、暮らし方や生き方を変えていこうという大変革を起こそうと踏み出したのです。

以下は、首相官邸によって発表された働き方改革に関する詳細になります。

 「働き方改革は、一億総活躍社会実現に向けた最大のチャレンジ。多様な働き方を可能とするとともに、中間層の厚みを増しつつ、格差の固定化を回避し、成長と分配の好循環を実現するため、働く人の立場・視点で取り組んでいきます。」

(※引用:首相官邸ホームページ

この言葉を実現させていくために、数々の取り組みが実行され、様々な形で新しい働き方を実行してきているのです。

生産性とは何か


生産性とは、無形・有形に関わらず生産時に生じる、人件費などのコストと得られる成果物との相対的な割合のことをいいます。
産出÷投入=生産性となり、その時々により生産性は変化します。
生産性を向上させるには、付加価値の額を上げるか、同じ労働力で多くの生産物を作り出すか、少ない労働力で多くの生産物を作り出すことににより向上が見込めます。

生産性向上において重要視されるのは、付加価値や生産額に直結する業務に時間を割けているかによります。もし生産性が上がればその分給料にも反映されることとなり、一時的に待遇がよくなるのです。ただし生産性が下がってしまうと、その分利益率が悪くなってしまうので、給料が下がったりなど従業員に対する待遇が悪くなってしまいます。

2.働き方改革においても生産性の向上が必要な理由

ではなぜ働き方改革において、生産性の向上が必要となってくるのでしょうか?それには働き方改革を実施した背景に関係があります。順番にそれぞれの理由について見ていきましょう。

働く人(労働人口)の減少

少子高齢化によって人口の平均年齢が高くなっている一方で、労働人口も同じように減ってきています。国立社会保障・人口問題研究所が発表したデータによると、2015年には日本の総人口が1億2,709万人に対して、2040年には1億1,092万人という数字を割り出しています。

さらに2053年には1億人をきって、9,924万人という数字を出してしまっているのです。働く人の減少が将来的に確定しているので、働き方改革によって消費と生産性の双方を両立させていく必要があります。

さらに今後は高齢化社会になっていくことから、育児や介護などの労働に従事していく人が増えていくことが予想されます。体力的にも精神的にも余裕の持った暮らしをしていくためには、働き方改革に取り組んでいく必要があるのです。

参照:【平成29年度】国立社会保障・人口問題研究所 日本の将来推計人口

グローバル競争が激化

日本は今となっては、海外と簡単に国境を超えることができる先進国となっています。そのため日本企業は常日頃から、海外企業との競争が激化しているのです。グローバル競争が起こっている中でも、労働人口が減ってきているので、海外に生産性が追い付かない状況となってしまっています。そうなると日本の市場を海外事業によって乗っ取られてしまう可能性が出てきてしまうのです。

そうなる前に、まずは少ない人口でも戦えるような人材を育てていき、1人1人の生産性を高めていくことが求められます。そのため働き方改革によって、生産性の向上を図りつつも海外にも負けない人材育成を国全体で行おうと国は考えたのです。

働き方改革と生産性の向上は一体

いくら働き方改革を行ったとしても、生産性を向上しないと従業員が不満を抱えてしまい、仕事に対するモチベーションが変化してしまう可能性があります。また働き方改革を意識しすぎて勤務時間を短くすれば、その分社員の給料は少なくなり、さらには生産性が低下してしまう恐れもあります。

働き方改革と生産性向上は、一緒になって進めていかなくてはいけない課題となっているのです。主に会社の役職者や管理者が進めていく取り組みでもありますが、何より社員全員が一丸となって変革を起こしていく必要があります。

3.働き方改革による生産性アップのための取り組み

では実際に働き方改革によって生産性向上を図っていくためには、どのような取り組みを行っていく必要があるのでしょうか?そこでここでは、実際に働き方改革による生産性向上のための取り組み内容を紹介していきます。

多様で柔軟な働き方

働き方改革という言葉だけあって、今まで普通だと考えていた働き方を柔軟に対応していく取り組みが行われるようになっていきました。以下が詳しい取り組み内容となります。

・フレックス制度

フレックス制度とは、自分自身で働く時間を決めることができる制度。個人の自主性に任せることが多く、働き方に自由性があるため優秀な人材を導入できるだけでなく生産性向上が見込め様々な利点があります。

・テレワーク

テレワークとは自宅でも仕事ができるパソコン業務のことを意味し、時間や場所に捉われることなく働くことができる働き方です。在宅勤務やモバイルワークも同じ意味となっており、育児をしている主婦を中心に行っている働き方でもあります。

・副業・兼業

副業・兼業とは、本業とは別の仕事を持ち複数の仕事をこなしていく働き方のことです。副業・兼業の目的としては新たな収入源を得たりすることはもちろんのこと、新しい知識や技術を得るための働き方であり、本業における新しい生産力を生み出す見込みがあります。

これらのように柔軟な働き方を取れり入れていくことで、働く人に合わせた労働環境を提供し、生産性向上の見込みを立てていくのです。これからは過去にとらわれることなく、今の時代に合わせた柔軟な働き方が求められます。

社員1人1人の生産性向上

社員1人1人の生産性を向上していく取り組みも、新しい働き方改革において必要不可欠なものとなってきます。例えば技術取得のために検定などを受ける場合は、企業側が全額負担をして支援をしていくという方法です。

この方法だと従業員も技術取得に対して企業が期待をしてくれていると感じ、より会社のために働こうと考えます。人材への投資を惜しむことなく発揮していくことが、生産性向上とへと繋がっていくのです。

エンゲージメントとモチベーションの向上

仕事をしていくにあたって重要となっていくのが、社員の会社に対する思い入れとなるエンゲージメントと、仕事をしていく上で大切なモチベーションです。この2つがどれだけ高いかを知っていき、それぞれ向上していくための対策を練っていくことが重要となってきます。

会社や仕事に対して特に思い入れがなかった場合、働き方改革を起こしたとしても生産性向上にまで繋げることができません。なぜなら働き方改革に賛同してくれないと、生産性を上げようという取り組みに対して一緒に行動しようと思わないからです。まずは社員のエンゲージメントとモチベーションがどのような状態なのかを知っていき、対策を練っていきましょう。

人材の多様性

近年では人材に対しての雇用制度も変化しており、人材の多様性が求められるようになってきました。その中で今後活躍しうるであろう人材は、女性・高齢者・外国人などの新しい人材です。

今まで女性や高齢者、外国人には活躍の場を設ける機会が少ない傾向にありました。しかし働き方改革を実施していくにあたって、多様性をもった採用をしていくことで新たな事業展開も見込めるようになりました。さらに多様性のある企業は周りからも評価されやすく、優秀な人材確保にも繋がっていくのです。育児や家事、仕事との両立支援などを取り入れると、企業評価も上がっていきまさに一石二鳥となります。

優秀な人材の確保と定着率向上

優秀な人材確保のための取り組みを常に行っている企業は、生産性を常に上げており働き方改革による生産性向上が大いに見ることができます。生産性を上げていくためには、ルーティンワークの時間を減らし生産性に直結する業務を行える時間を確保した上で、 的確な業務遂行能力が必要です。

そのためにも優秀な人材は必要不可欠で、確保のための取り組みをしている企業が生産性アップを見込めるのです。さらに働き方改革を行うことで、離職率を減らしていくことも重要となります。離職率を減らすことは仕事の生産性を上げることと繋がり、さらには定着率が高い企業としてアピールするとが可能です。

4.働き方改革や生産性が見込めない企業の特徴

働き方改革を実施している企業は、現代において増えてきています。ただその中には生産性向上まで至らず、働き方改革を失敗している企業も少なからず存在するのが現実です。失敗してしまった企業に足りなかったものはどんなものでしょうか。ここでは、生産が見込めない企業の特徴を紹介していきます。
失敗から学び自社の施策に役立てていきましょう。

緊急性を要した課題であるという認識の不徹底

働き方改革を実施していくことは、課題解決に向かって早めの行動をしていく必要があります。しかし世の中の流れを理解しきれず、危機管理に疎くなってしまうようではいつまでたっても生産性向上は見込めません。労働人口の減少問題やグローバル化による競争を勝ち抜いていこう、という思いを持って取り組んでいく必要があります。

推進チームの指導力が足りない

せっかく働き方改革を実施しようとしても、会社内の推進チームに新しい働き方を指導していく力がないと意味がありません。何より重要なのは、働き方改革を行った後に企業内に浸透させていくための実現力です。

そのためには新しい環境でも働けるという指針を示していく必要があります。指導をしていくためには、他の企業がどのように実施しているかを知っておくことが重要となるのです。

将来のビジョンの欠落

ただ働き方改革を実施しても、何を目的として実施していくのかを明確にしておかなくてはいけません。将来のビジョンはどのようなものか、社員にはどうなってほしいのかなどの目標を明確にしておくことが重要です。

組織というものはそのまま変わらないでおこうという慣性が働いてしまいます。明確にしておかなくては、形だけの働き方改革となってしまうのです。

社内コミュニケーション不足

社内でのコミュニケーションが足りていなかった場合、導入をしたとしても賛成に至るのは難しいといえます。新しい改革を会社全体で行っていくには、社員同士での協力が必要不可欠となってくるのです。

まずは社内においての情報を共有しつつ、社員のための改革だということを理解してもらいましょう。働き方改革による変化が社員にどのような効果や影響を与えるかを丁寧に伝えることで、社員はより協力的になってくれ生産性向上の見込みが立っていくのです。

成果を共有できる環境が整っていない

働き方改革によって得られる効果は、取り組み方によって変わってきます。少しの変化でも成果となりますが、自分たちへのメリットと捉えることができなければ、せっかくの変革もストップしてしまう可能性が出るのです。

働き方改革を行うにあたって、環境の変化は必須となります。変化の中には不安はつきものですが、払拭していくためにも少しの成果も会社全体で共有していく必要があるのです。そのためにはすぐにでも情報を共有できる環境を作っておくとよいでしょう。

5.働き方改革と生産性向上のために挑戦をする企業例

では実際に働き方改革と生産性向上の両立に挑戦をした企業とは、どのような企業があるのでしょうか?ここでは、それぞれの企業が取り組んだ改革を紹介していきます。

ベネフィット・ワン株式会社

ベネフィット・ワンでは営業職において、新しい働き方改革を行い、生産性向上を成功させています。施策前の営業職は一日に何個か営業へと向かい、そのまま会社に帰社し事務処理などを行わなくてはいけませんでした。そのため慢性的に残業が発生してしまう働き方となっていました。

無駄な時間を削減するために「移動時間」を有効活用していったのです。移動時間を有効的に活用し、隙間時間での仕事を可能にしました。対策内容としては、スマートフォンでの資料作成を可能とし、帰ってからの仕事を減らしていったのです。

結果、残業時間を削減するとともに、生産性向上に貢献し、商談数の成立を増やすことにも成功しました。

西川リビング株式会社

新しい働き方改革として取り入れたのが、「お昼寝」を行うことでの集中力増加と生産性向上です。昼寝を約15分行うことで、中だるみみなりやすい午後からの業務遂行能力の効率化を図りつつ、疲労改善にも繋がるこのやり方は話題を呼びました。

さらには自社製品を使って「お昼寝」をすることにより、品質向上や自社の製品開発に役立っていったのです。結果、午後からのパフォーマンス向上に成功し、社員のモチベーションアップにも繋がっていきました。

アフラック生命保険株式会社

アフラックではテレワークを導入し、どこででも仕事ができる環境づくりに専念しました。取り組み開始において重要とされる、コミュニケーション管理システムの導入も行っており、満足度が高い結果となりました。

またもともとコミュニケーションをそこまで必要としない業務が多かったことから、社内勤務時よりも業務効率が上がったとあります。急な用事が発生してしまったり、子どもの行事などの対応をすることができ、普段の勤務体制のまま働くことができたことが社員の満足感へと繋がっていったのです。

6.まとめ

働き方改革による生産性向上は、現実的に不可能ではありません。しかし取り組みを実施していくためには、まず今の環境において導入できる状況となっているか、将来的にどうしていきたいのかなどを明確にしていく必要があります。

企業が今後どうなっていくかの方針に合わせつつ、時代の変化に柔軟に対応していくことが、両立への近道となってくるでしょう。

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