効果的なスカウトメール作成のコツは? 例文と件名をご紹介!

はじめに

売り手市場とともに雇用の流動化が叫ばれている現在、会社にとって有益な人材を採用することは大変困難なことです。一方でLINEやFacebookなどといったSNSの台頭により、人事部が転職希望者、新卒採用の応募者と個人的にメッセージのやり取りができるというのも最近の就職活動ならびに転職活動の特色の一つです。こういったときに良い人材に応募してもらえる手段として、応募者に直接送る「スカウトメール」があります。良い人材を応募につなげるためにも、人事担当者としては効果的なスカウトメール作成のコツを知っておくとよいでしょう。

 

1.スカウトメールが重要になっている

終身雇用制度が崩れ、また売り手市場となって久しい昨今、求人情報は世の中にあふれかえっています。そのため、今までであれば求人媒体に求人情報を出してそこから応募するという形が中心であった採用活動は、企業自らが候補者にアプローチするという方向に転換しつつあります。このなかで、応募者の接点を持つツールとしてメールがあります。応募者を集めるためのメールのことを「スカウトメール」といいますが、企業からのアプローチをすることで応募者のすそ野を広げたり、同業他社をリードすることにもつながります。

特に知名度の低い中小企業、ベンチャー企業やBtoB企業においては、単に応募者を増やすだけでなく、企業認知度を上げることもできます。効果的なスカウトメールを送ることによって、これだけ優秀な会社なら今後伸びていくに違いない、と思ってもらい、結果的にスカウトメールを送っていない人材からも応募してもらえるような企業があるくらいです。

特に新卒の学生や若手の転職希望者のなかには、「自分にはどのような業界が向いているのか、どのような仕事が向いているのかわからない」という人も少なからずいます。そのなかで、自分の資質や特性を認めてくれるようなスカウトメールが来たら、自分の可能性に気づくこともできます。スカウトメールの役割は、「良い人材に応募してもらう」ことなのですが、それ以外にも、その人の可能性を高めて精密なマッチングができる、会社の知名度を上げるという役割を担っています。スカウトメールがきちんとしていれば、応募者はきちんとした会社だと判断してくれます。そのため、スカウトメールは会社の価値をあげるのにも重要な役目を担っているのです。

2.効果的なスカウトメールを作成する前にすべきこと

スカウトメールが失敗する企業の特徴として、いきなりスカウトメールの文面を考える、ということがあります。しかしながら、スカウトメールはターゲットを明確にしないと他社と差別化できず、結果的に企業広告を出しているのと変わりなくなります。まずは、年齢やスキル、行動特性を含めて「求める人物像を明確化する」ことが必要になります。詳しく言えば経験職種や転職動機、性別なども含めてターゲットを明確にすることが必要です。

スカウトメールは、転職サイトや就職サイトなどに登録している人のデータの中から、自社の求める条件に合致した人に送ることになります。求人サイトで言えば採用機会の公平性を保ったり、広く応募してもらおうという意図から、誰にでも当てはまりそうな条件でPRしますが、それではスカウトメールの意味がありません。まずはターゲット層を絞り、その人に「何を」「どのように」伝えれば効果的なのかを考えることが必要になります。

とはいえ、特殊な技能のいる職業を除き、経験職種のみで絞るのはあまりおすすめできません。確かに、営業職を採用するのなら営業職経験者をピックアップしてスカウトメールを送るのが効率的かもしれませんが、そういった人には他社からもスカウトメールが届いているかもしれませんし、職種が嫌で転職しようと思っている人も少なからずいるからです。たとえば営業をするにあたっての対人能力やコミュニケーション力、語学力を有するものであれば、そういった特性にスポットを当ててスカウトメールを送るのもよいからです。

営業職、というように職種だけでターゲット層を絞るのではなく、その職種、今からお願いしようとしている業務にはどういった資質が必要なのかなどもっと踏み込んで考えることによって、より的確にターゲットを絞ることができます。ターゲットを一つに絞るのではなく細分化してそのターゲット層ごとにスカウトの本文を変えながら送るという手法も有効です。

3.スカウトメールには「件名」が大事

これだけビジネスメールが普及している社会だからこそ、件名は大事です。特に魅力的な経歴を持つ求職者には、多くの会社がスカウトメールを送っています。そういったときに、インパクトのない「件名」だけでは開封率が非常に下がっています。そのため、件名にはあなただからこそメールを送った、という特別感を出すとよいでしょう。

たとえば、「○○さまの経歴をお読みしました。一度お話させていただけませんか?」というように、あなただから興味がある、という特別感を前面に出した件名であれば、開いてくれる確率も上がります。また、転職先を探すのには条件面を重視している人も多いので、そこにスポットをあてた件名を持ってくるという方法もあります。たとえば、「残業少な目、ノルマなしの○○職の求人です」とか「土日祝日休み」「地域密着、転勤無しもしくはエリア内転勤」「未経験入社1年目でも月収〇万円」「○○経験のある△△様に月収〇万円以上をお約束」などといったメリットを最大限に生かした件名であれば、条件面を考慮しながら転職活動をしている人に最適であり、開封率も上がります。

一方で件名に「求人のご案内」などと特別感が伝わらない言い回し、「急募、大量採用」などといったとりあえず採用したい、アルバイト募集に使われるような件名であればそれだけ開封率が下がりますので注意が必要です。継続的にスカウトメールで採用するならば、いくつか件名をピックアップして、どういったものであれば心が動かされるのか、若手社員の率直な意見を聞いたり、データ化してみるとよいでしょう。

4.スカウトメールは書き出しや構成も大事

スカウトメールはビジネスメールと言うよりもどちらかといえばファンレターに近いものになります。よくやりがちなのが、いきなり会社の紹介を長々と始めてしまうパターンです。会社名さえわかり、魅力的なメールの運面であれば検索して調べるので、会社名を書く必要はありません。スマホで見ている人のことも考慮し、何度もスクロールしなくても読めるようにしましょう。

まずは、「○○様、(必ず個人名で) はじめまして株式会社△△ 人事採用担当◆◆です」といったように簡潔に自己紹介をします。それから、次に会社の紹介とスカウトメールを出した理由を簡潔にします。当社は○○を取り扱っている会社であり、今回、事業拡大のために営業職を募集しています。のように簡潔にいいます。

ここから大事なのが、なぜこのスカウトメールを出したかです。ただの会社説明や募集要項なら、そのまま読み捨てられる可能性があります。そのため、「あなたの経歴を見て評価している」という内容をその次に持ってきます。「あなたのWeb履歴書を拝見し、こういうところが当社でより活躍できるのではないかと思い、ご連絡させていただきました」という一文を入れることで、「特別感」を出すことができるのです。

それから、仕事内容や当社で働くことの魅力を紹介します。その時に注意しなければならないことは、冗長に長くならないことと、一方で必要情報が網羅されているということです。業種、募集職種、勤務地、給料などの条件、応募方法もしくは応募フォームへのリンクなどです。端的にわかりやすく、を心がけスカウトメールを見た人が人事採用担当に質問しなければならない事態は避けるようにしましょう。

5.会社の魅力を伝えるには?

スカウトメールは、パッと見てその会社に応募しようという気にさせるのが必要です。そのため、あなたの経歴を見て興味を持ちました、ぜひ面接を受けてください、だけではどこにどのように興味を持ち自社にどうマッチしたのかを書かなければなりません。当社はこういった事業を行っていて、このような人材を募集している、そして、○○というところや職種があなたの経歴とマッチしている、というように持っていくのです。

そして、魅力のあるところはなるべく箇条書き、わかりやすくします。たとえば年間休日数や土日祝日休み、転勤の有無、ノルマの有無などセールスポイントがあれば、それも書くようにしましょう。その時に、当社はノルマがありませんのでのびのびと営業できます、みたいにいちいち書いていると読むほうも大変です。【土日祝日休み】【年間休日〇日】【研修充実】といったように項目を列挙するとわかりやすいでしょう。

また、会社紹介は現在のことや過去の業績ではなく、現在軸と未来軸の両方を紹介するようにします。今はこういうことをしているが、今後はこうしたいといったように簡潔に言うことが大切です。会社の詳しい紹介については、面接で言いたいというくらいの気持ちでも良いかもしれませんが、具体的に数字などを出して、これは信頼できる会社だと思われるように工夫しましょう。

6.確実に応募につなげるために

よくありがちなのが、スカウトメールには魅力的な情報は載っているが、実際に応募につながらないというケースです。理想は、スカウトメールの最後には応募フォームや求人票へのリンクを貼っておき、簡単に応募できるようにするとよいでしょう。

また、メールを見ただけで応募するのは少し勇気がいる人のために、まずは会社のことをお話しさせていただきたい、と面談をできる機会を設けるのも良いかもしれません。場合によっては、スカウトメールの最後に日程調整フォームが付いており、面接や面談のアポイントが取れる場合もあります。

新卒応募に対してはそこまで詳しくなくてよいのですが、主に中途採用を対象としたスカウトメールでは、魅力あるキャリアの人ほど多くのスカウトメールを受けることになります。そのため、すぐ応募につなげられるアクションを取るようなメールだと返信率が上がります。「こちらが応募フォームです。応募をお待ち申し上げています」という言葉で締めくくるとスマートな印象になります。

7.どういった人にスカウトメールを出すのかが大切

こうしてスカウトメールの文面や構成が決まったところで実際にどのような人に出すのか、ということになります。人材サービス会社や転職支援会社の人材サイトの中で、該当のデータから決めるということになりますが、オープンオファーといって特に条件を絞らずにオファーする方法もあります。一般的には過去の経験や居住地などターゲットを絞って一致する条件の人にスカウトメールを出すのですが、オープンオファーだったら特に悩まずに誰にでも出すことができます。

しかしながら、オープンオファーのスカウトメールはほかの媒体と差別化できないということもあります。そのためには、勤務地や年齢、職種などの条件が一部一致する人にスカウトメールを出す、条件一致オファーもあります。どちらかというとオープンオファーより反響があるでしょう。

もっと返信率を上げるのであれば、完全一致オファーと言ってデータベースの中からこれは、思う人材をピックアップしてスカウトメールを出すという方法があります。条件などに合致する求人であれば、ほかの媒体よりも応募につながるケースが圧倒的に多いです。データベースから抽出する場合は、単に職種などが条件としてマッチしているだけでなく、「あなただけの」「限られた方への」というようにプレミア感を出して応募につなげるのもよいでしょう。

ただし、条件一致オファーや完全一致オファーのように何かしらデータベースからピックアップするときには、少なくとも3か月以内にプロフィールを更新したり、転職実績のある人にします。転職サイトに登録していても、転職に成功したのでサイトをやめる人ばかりではありません。なんとなく登録したままになっている人もいるからで、そういった人にスカウトメールを送っても効果は薄いからです。

8.これからのスカウトメールの展望について

限られた予算の中で質の高い採用を行いたい、という会社はこれからも増えてくるでしょう。そのような流れの中、スカウトメールを利用する会社が多くなってきます。何かしら妥協を必要とする中途採用市場においては、スカウトメールを使うことで最初から妥協点の少ない人にメールを送ることができます。それだけでなく、転職応募者としても数多くの企業から自分が受けるべき企業を選ぶことができます。

スカウトメールは、現在転職活動をしている人だけでなく、育児などで離職した人にも今後需要の拡大が見込まれます。たとえば子育てと両立、といったようなキャッチフレーズであれば子育てでいったん離職した人で有能な人を採用することができます。加えて、最近スカウトメールを利用して応募につなげやすいのが、20代の若手や第二新卒と呼ばれる社員です。若い世代に対しては、メールというアプローチではなく、スカウトメールをFacebookやラインなどのSNSを使って送るのが良いでしょう。メールよりも短く簡潔に送ることになりますが、スカウトメールを読んだかどうかの確認も出来て便利です。

また、グローバル化により会社の経営が複雑になればなるほど、従来のような営業職、事務職という単純な職種で考えられないところがあります。たとえば従来であれば「営業」とひとくくりされていた職種でも、「アウトサイドセールス」「カスタマーサクセス」「インサイドセールス」などといったようにいろいろな言い方をします。自分で探すだけでは、こういった職種は何をやっているかわからずに敬遠されることもあるでしょう。営業でありながらジムをすることもありますし、マネージャーでありながら自ら顧客を持つプレイングマネージャーもいるでしょう。こういった変化のある時代でもスカウトメールであれば、会社からのアプローチなので、自らが良いと思った人にアプローチできるのです。

おわりに

スカウトメールは、「件名」「構成」「誰に出すのか」ということが非常に大事になります。会社の魅力であれば、ホームページなどで自ら調べられますので、シンプルに魅力を伝えることが大切です。また、たくさんのスカウトメールの中から差別化することも大切でしょう。こういったスカウトメールは、現在転職活動中のヒトはもちろんのこと、子育てで離職した人や第二新卒などにも適用されるので今後広がっていくでしょう。そのため、会社としては文面を工夫し差別化することが大切です。

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