HRテックで優秀な人材が獲得できる!?

近年、企業での働き方は多様化してきており、「働き方」の見直しが企業の必須課題となってきました。働き方が変われば、従来の採用方法では通用しなくなり、優秀な人材の確保が難しくなってしまいます。

そんな人事担当者の悩みを解決できるのはHRテック。最新テクノロジーを駆使すれば、採用担当者の負担を軽減するだけでなく、市場価値を高めることができるので、企業価値の向上にも一役買うことができます。

優秀な人材の確保には、HRテックを駆使することが近道といえるかもしれません。

日本の採用制度

長い間、日本の採用は、新卒一括採用という日本独自の採用制度を行ってきました。一括採用とは、 企業が卒業予定の学生(新卒者)を対象に年度毎の決められた期間のみにまとめて求人を出し、在学中に採用試験を行って内定を出す世界でも珍しい採用制度です。

新卒一括採用は、日本の雇用システム「終身雇用」「年功賃金」「企業訓練」などと一緒に互いに補完しながら、日本の雇用制度を成立させているため、一般的な採用方法となっていました。

新卒一括採用には、社員間に同期意識を植え付け、お互いに切磋琢磨させる利点がある他、「企業訓練」によって会社内部の文化の理解、組織への一体化、会社への忠誠心を植え付けられるという利点もありました。そのため、中途採用を積極的に行う企業は少なく、ジョブローテションによる人材の確保が一般的となっていました。

しかし、このようなスタイルを取ることで、会社に有益な優秀な人材の確保の面では、チャンスを取り逃がすという結果を招いてしまっているのです。

採用制度の変化

近年、企業や候補者、双方の採用活動は多様化してきています。その背景には、社会と人口動態の変化があります。

テクノロジーが発達し続けている今日、ビックデータの検索・分析が容易になったことから、情報も得やすく、情報の活用も容易にできるようになりました。さらに、AIやプラットフォームを使って業務を簡素化したり、共有できるようなシステムを構築している企業も年々増加してきています。採用活動も同じく、求職者はプラットフォームやネットワークを駆使して、情報を集め、複数の企業に対してエントリーを行うことも可能になりました。

しかし、若年人材が減り、人材採用競争が激化している中、どの企業も人材の確保が難しい状況となってきています。そのため、企業は、採用の方法をより一層工夫していく必要性が高まってきています。その問題を解決するため、候補者からのエントリーを待つだけでなく、企業から積極的に動く、新しい採用スタイルが誕生してきています。SNSを利用したソーシャルリクルーティングなどは、導入する企業も増加傾向にあります。

HRテックの市場規模

日本国内では、「働き方改革」など、多様で柔軟な働き方が求められており、実際に柔軟な働き方を推進している企業が増えてきています。そのため、HRテッククラウド全体の市場は、2018年には225億円規模に拡大しています。2017年の規模に比べると前年比142.8%の飛躍となります。採用クラウドでは、2018年に71億円市場と前年比143.1%の拡大を見せています。また、HRテッククラウドの市場規模は、年々拡大していく予測となっています。

(参考文献:https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP470449_V00C18A2000000/

採用活動を支援する2つのタイプのHRテック

採用活動に役立てることができるHRテックには、大きく分けて2つのタイプのサービスが展開されています。いずれも、ビックデータの分析やディープラーニングなどを利用できるほど、急速に発達してきています。

求人支援

近年のスマートフォンやタブレットなどのデバイスの復旧により、ソーシャルネットワーキングサービスの発達、コニュニケーションツールの発達から、人々のコミュニケーションはスマートフォン上での会話が主流となっています。こうした背景から誕生したソーシャルリクルーティングは、候補者から受け入れやすくなるだけでなく、距離を縮めるなど様々やメリットがあります。

そんなソーシャルリクルーティングのプラットフォームを提供するサービスが、展開されてきています。新卒採用よりも、中途採用市場で使用される傾向にあります。

採用管理

採用フローの中で起こるオペレーション面をサポートしてくれるHRテックサービスです。求人情報の発信や、SNSとの連携など募集の開始から、応募者の経歴や評価の整理、選考ステータスの管理、面接日程の調整など面接に関わるオペレーションなど、多岐に渡る人事業務を一元化し、「見える化」することができます。

HRテックで優秀な人材が獲得できるわけ

HRテックを活用することで、今までとは違う採用活動が可能になり、優秀な人材を集めやすくなります。さらに、会社との適性を判断し、企業に利益をもたらすメリットがあります。

積極的な採用ができる

現在、求職している人を企業側から積極的にアプローチをかけることができます。人材採用競争が激化している中、企業の魅力を積極的に候補者に伝えることは、必須となります。企業が求めている優秀な人材は、待っているだけでは獲得することができません。積極的に候補者を探しにいくことができるのもHRテックの強みとなっています。

転職潜在層へアプローチできる

すぐにでも転職したいと積極的に活動している候補者だけでなく、転職を長期戦で考えていたり、今より条件の良い会社があれば転職しても良いなど、積極的に活動をしていない人材にも、企業側からアプローチをかけて、コミュニケーションを取ることができます。通常の採用活動なら、積極的な転職活動をしている人材のみがターゲットとなっていましたが、HRテックではターゲット層を広げることも可能になります。そのため、優秀な人材の発掘することもできるのです。

候補者とのコニュニケーションが円滑にできる

通例の連絡方法とは違い、SNSやプラットフォーム内でのコミュニケーションとなることで、候補者との距離が近くなり、コミュニケーションが円滑になるだけでなく、お互いに有効な関係を構築することのできる利点があります。

ミスマッチを防ぐことができる

面接だけでは見ることのできない、モチベーションや仕事のスタンスなど、適性を読み取るツールとしても活用することができます。ミスマッチを防ぐことで、離職率も低下し、より効率的な採用を実現することができます。

候補者を多様な視点から見ることができる

候補者とのコミュニケーションを取れるプラットフォームで、チャット感覚でカジュアルに候補者とコミュニケーションがとれ、SNSのような感覚で、候補者の面接以外の姿を見ることができるツールもあります。面接では見られない姿を見ることで、優秀な人材の見落としを防ぐことができます。

候補者を一括管理できる

選考フローに進んでいる候補者を一括管理することができます。候補者の職歴や評価を管理できるだけでなく、進捗を見える化できるため、候補者のステータスを把握することができ、効率的に採用フローを進めることができます。

選考フローを効率的に進めることで、企業側の積極性を候補者にアピールすることができるので、企業が求めている優秀な人材の獲得へと繋がります。

データ分析がしやすくなる

データ分析に関しては、データを有効利用できていない企業も多いと言われています。

HRテックは、候補者のエントリー数や、企業ページのページビュー数など、現在の採用状況をデータで算出することができるので、HRテックはデータ分析がしやすくなるといえます。

データ分析ができると、現在の採用状況を客観的に見ることができ、より優秀な人材が集まるような戦略的な採用フローを構築できることに繋がるので、データ分析・解析のできるHRテックは有効活用しましょう。

HRテックの紹介

HRテックには、独自のサービスがあり、様々なプラットフォームが展開されています。HRテックを使って弱い部分を補うことで、より採用活動を強化することも可能となります。優秀な人材の確保に役立つ、おすすめのHRテックをご紹介します。

スカウト型

Wantedly(ウォンテッドリー)

https://www.wantedly.com/

国内最大級のビジネスSNS「Wantedly」。登録ユーザーの7割は20代から30代の若手成長人材です。登録しているユーザーへ、直接スカウトメールを送ることができるので、優秀な人材へダイレクトにコンタクトを取り、ソーシャル・リクルーティングを可能にします。

また、企業のページは自由に要項を書くことができ、会社の魅力をより多くの候補者に伝えることができます。さらに、最新の企業の情報を発信できるようブログ機能も使用できるため、ミスマッチを防ぐことにもつなげることができます。

ニクリーチ2019

https://jinji.29reach.com/

学生を対象としたスカウト型就活ツール。学生と企業側が、お肉を囲みながらカジュアルに話ができるというコンセプト。学校名・プロフィールなど学生の情報を閲覧して、話をしたい学生にはスカウトメールを送ることが可能です。

カジュアルな会話の場が設けられるので、働くことをどのように考えているかなど、面接で聞くことのできない話ができるとともに、多様な視野から候補者を見ることができ、優秀な人材の確保ができるようになります。さらに、学生に会社の魅力をアピールすることができ、採用ブランディングにも活用できます。

LINE連携

Reworks cloud

https://www.realive.co.jp/service/reworks/

新卒採用向けのLINEと連携したシステム「Reworks cloud」。学生の主な連絡手段であるLINEを使って、説明会や面接の日程などお知らせすることが可能となります。また、応募者の一括管理と、独自の採用フローを作成し、選考状況を「見える化」することができます。

LINEを使ってのコミュニケーションを取ることができるため、企業からの一方的なコミュニケーションにならず、学生からの反応も期待することができます。そのため、優秀な人材と密に連絡を取ることができ、信頼関係を構築することも可能となっています。

採用プロモーション

スタンバイ・カンパニー

https://stanby.co/

採用プロモーションを円滑に行えるサービス。正社員からアルバイトまで、求人票を無料で作成でき、求人検索エンジン「スタンバイ」に掲載されます。また、「スタンバイ」に登録した求職者に対して、スカウトメールを送ることもできます。候補者とのやりとりは、チャットで行うため、円滑にコミュニケーションを取ることが可能です。

また、作成した求人をFacebook, LINE, Googleなど求人を配信代行サービスで、「スタンバイ」に登録していない候補者へも働きかけ可能です。

作成した求人票も、どのワードが候補者の興味を惹きつけたのかを分析することが可能なので、よりターゲットの興味を引くような求人票に改善可能です。

ターゲットとなる候補者をより集客するのに優れたツールだと言えます。

AI(人工知能の活用)

HRMOS(ハーモス)

https://hrmos.co/

データ分析に特化した採用一元化管理ができ、ビズリーチが提供するサービス。採用をマーケティングとしてとらえ、欲しい人材の確保につながる、データ分析と改善をサポートしてくれます。

さらに、「エージェント推薦機能」を使えば、ビズリーチに登録しているヘッドハンターを独自のアルゴリズムで算出、最適なヘッドハンターを紹介してくれます。なかなか、応募者が集まらない場合でも、優秀な人材の確保に向けて、動くことが可能です。

yenta(イェンタ)

https://yenta.talentbase.io/yenta/

多種多様なプロフェッショナルと出会うことができるマッチングサービス。AI(人工知能)が、相性の良い人を紹介。「興味あり」「興味なし」と振り分け、お互いに「興味あり」とマッチングしたら、メッセージのやりとりがスタートします。

お互いのマッチングが前提のため、意欲の高い人材を確保できるだけでなく、普段出会うことのできない優秀層の採用へ導くことが可能です。人事採用に特化したサービスではないので、採用活動として利用する場合は、工夫が必要になります。新たに進化したダイレクト・リクルーティングを行えるツールです。

キャリトレ

https://www.careertrek.com/

優秀な若手人材を確保することにも特化したサービス。候補者が登録した職務経歴書や行動データをもとに、企業の求人にマッチングした求職者を抽出、紹介してくれます。

次世代のリーダー候補の優秀な人材をスカウトすることができ、採用へ導くことができます。候補者からのエントリーを待つだけの採用方法ではなく、企業からアクションし採用へ積極的に動く、攻めの採用が可能です。

採用の一括管理

talentio

https://www.talentio.co.jp/functions

人材紹介や直接応募などの候補者情報を一元化できるサービス。さらに、「SmartHR」など、外部サービスとの連携も可能で、今まで手を焼いていたデータ移行なども簡素化することが可能です。

また、採用データを一元化するだけでなく、通過率分析やトレンド分析など、採用戦略に有効なデータ分析を行うことができるため、よりよい人材確保に向けた採用計画を立てることに役立ちます。

ジョブカン

https://ats.jobcan.ne.jp/

中途・新卒・アルバイトのあらゆる採用で活用できるサービスです。現在の候補者ステータスが一目でわかり、候補者ごとに次はどういうアクションを取るかタスク化されるので、連絡漏れなどがなくなり、候補者の辞退を防ぐことができます。

また、ジョブカンは母集団形成をしっかり構築できるシステムも備えています。求人情報をIndeedに連携するだけでなく、求人ページもカスタマイズできます。さらに、細かい経路解析が可能、どのサイトから訪れたかを分析できるで、ターゲット層の獲得に役立てることができます。

インターン採用特化

InfrA

https://www.in-fra.jp/pages/contact-for-corp

長期・有給インターンシップに特化した採用プラットフォーム。サイトに登録している多くの学生に向け、会社の求人を公開するだけでなく、気になる学生に向けてスカウトメールも送ることができます。

近年では、就職活動のスタイルも変わってきており、決められた期間の採用活動だけでなく、通年実施されているインターンシップに参加する学生が増えてきています。「InfrA」は、そんな就職活動に意欲的な学生を獲得できるサービスです。

アルバイト採用特化

リクオプ

https://recop.jp/

アルバイト採用に特化したプラットフォームで、候補者管理などオペレーションを簡素化できます。アルバイトの募集は、求人数も多く、求人を見てもらうまでの戦略が大切ともいえます、「リクオプ」では、SEO対策(検索エンジンの最適化)も対応しています。さらに、サイトは多言語対応となっているので、外国人の採用も促進できます。

優秀な人材の確保を目指すならHRテックを活用しよう

優秀な人材の確保のためには、市場のニーズに合わせ、臨機応変に対応していかなければならなくなってきます。そのためには、終身雇用を前提とした人事管理スタイルでは、世の中のニーズに合わなくなってきます。

また、採用を行うにあたり、ターゲット層の人材にリーチしていくと同時に、採用の機能も上げていく必要が出てきます。

HRテックは、こういった悩みを一気に解決することができ、企業の市場価値も高めてくれます。現在の採用に関して、問題を抱えていれば、HRテックの導入を前向きに検討してみてはいかがでしょうか。

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