面接が下手な人事がいる?面接のポイントと改善の具体例

 

はじめに

良い学生が採用できない、採用内定を出してもすぐ辞退される、面接をしても学生の本音がわからないといった場合、もしかしたら面接をする人事担当者が面接下手なのかもしれません。実際に面接が下手な担当者がいると、会社の印象まで悪くなってしまいかねません。面接が下手な面接官とはどのような人か、面接を上手にするためのポイントと改善の具体例についてみていきましょう。

1.面接が下手な人事は実際にいる

面接が下手でなかなか思ったことが言えない学生、すなわち面接下手な学生がいるように、人事の中にも面接が下手な人事はいます。人事採用部門に配属されて面接の経験が少ないので、応募者とコミュニケーションを取ることができないからです。

具体的には、面接で相手に対して上から目線で不快に思わせる、結論を急ぐあまりになぜ、なぜ、と聞いてしまって相手を圧迫する、唐突に会社で何がしたいのか?など学生に難しい質問を聞いてくるものです。また、学生の答えを否定し続けたり、態度が悪いといったものもあります。逆に誰にでも愛想よくしてその面接の場を丸く収めてしまい、結果的に優劣がつけられないといったこともあります。

態度などは気を付けたら直せるものの、それ以外の部分は自分で改善していかないと難しいのです。特に人事部門に配属されたら、被面接者である学生や応募者のことをしっかりとチェックはしても、面接のやり方について教えてくれるような上司はあまりいないでしょう。だから、面接が下手な人が人事採用担当者になってもそれが是正されず続いてしまうのです。

2.面接が下手な人事がいる弊害

面接が下手な人事がいるのは会社にとって大きなマイナスになります。たとえば、圧迫面接をするような人や質問攻めにするような人は、内定辞退につながることもあれば就活生対象のSNSで悪く言われてしまうこともあります。採用人事担当者は会社の顔なので、そういった自覚を持つことは言わずもがな必要です。本人が自覚していなくても、度を越した圧迫面接はネット炎上につながることもあるので、慎重に考えなければならないです。

さらに面接が下手な人事がいる弊害は、求める人材かどうかを見極めることができない点です。面接試験をしても、学生に深く踏み込んだ質問をしない結果、誰もが同じように見えてしまいます。そうすると履歴書やエントリーシートに書かれた経歴や学歴が大きなポイントを占めてしまい、結果的に面接試験をやった意味がなくなります。そして肩書や学歴が見事な学生を採用することができたとしても、いざ入社してみると会社にうまく溶け込めないといった問題もあります。また、話し方など表面的な点に気をとられてしまい、似たような学生ばかりが集まってしまう弊害もあります。どこを見てくれたかわからないという面接では、学生の方もモチベーションが下がってしまい、内定辞退へつながってしまうこともあります。面接にあたっては、面接する側のスキルアップも重要になってきます。

3.面接の質問一つ一つに意味を見出す

まずは、面接については表面的に事前に考えた質問を順番にしていくといった形式めいたものでは何も見抜けません。まず、面接が下手な面接官というのは、面接に目標を持っていないことが多いです。そんな面接官のために、どのような質問をして何を聞き出したり評価するか、を明確にする必要があります。

志望動機や学生時代に頑張ったこと、自己PRが面接の三大質問と言われています。それぞれ、志望度合いやどのような学生生活を送ってきたかで人となりを知る、どういった自分の強みがありそれをどう生かしていくのかを知る、といったように一つ一つの意味を考えることで、次どのような質問を投げかければよいか、おのずとわかってきます。

質問の意味をわからずして面接を行っている面接官は、実際に評価すると声が大きくて説明がわかりやすいなど表面的なことだけで人を判断しがちになり、面接としての意味をなしえていません。ほかにも、学生時代の勉強や専攻について聞くのは、学業への取り組み姿勢をもって仕事への取り組み姿勢を推察したり、仕事の際に必要となる説明能力をはかるというものです。座右の銘や大事にしている言葉、尊敬する人などはその人の価値観を知るための質問になります。

一つ一つの質問に対してどういう意図を持ってやっているか、それを書き出してみることで「何のために面接を行っているか」が明確になります。これが面接のスキルを上げることにつながります。

4.ふるい落とすのではなく、仲間を選ぶという意識で

面接をするときに学生に対して横柄な態度をとってしまう、これは面接官としては下手な面接官となります。圧迫面接によってメンタルの強さを見る、といったような圧迫面接の手法がありますが、学生の方もある程度圧迫面接の練習をしているので果たしてメンタルの強さが測れるかは謎ですし、下手をすると録音されて炎上するリスクもあります。圧迫面接とまではいかなくても学生に高圧的な態度をとってしまう面接官は、面接をして学生を振るい落とそうと思っている思考にそもそもの間違いがあるのでしょう。

面接をするときは、「一緒に仕事をする仲間を選ぶ」という意識で取り組むことで、面接の仕方も向上します。一緒に働く、という観点に立ってみれば自分の会社でやって行けるか、社風にマッチした人材であるかなどといったこともおのずとわかってきます。そのため、自然と面接のスキルも上達します。

その時にもっと踏み込んでほしいのが、「どういった人材が求める人物像なのか」を具体的に示すことです。面接官にうまい下手がある理由の一つには、面接が「答えの見えないことに答えを探し出す」ことだからです。求める人物像をより具体的に明確化すれば、それにマッチするかどうかで判断しやすくなります。圧迫面接などをしなくても、一緒に働くという視点に立てばおのずと学生の選考ができるからです。

5.面接もコミュニケーションを取るように行う

いくら想定する質問とその意味を考えておく、それだけで面接が上手になるということではありません。一方通行の面接では、学生は尋問されているような気持ちになり、たとえ面接官が納得して内定を出したとしても、学生の方から「何を評価されるかわからなかった」「来てほしいという気持ちが伝わらなかった」と内定辞退をされるリスクもあります。

面接は、一方的な審査ではなくコミュニケーションです。しかも、面接に来る就活生の多くが社会人としてのコミュニケーションを身につけているとは言えません。面接を審査ではなく会話にするように、一問一答で終わらせないように心がけましょう。それだけでなく、応募者の答えを聞く場合は、相手の顔を見るようにします。面接中に一切相手と目も合わせなかったのであれば、学生からすると拒絶されたかのように感じてしまうこともあるかもしれません。

面接試験においては一問一答形式にならないだけでなく、相手の目を見るなど、相手の話を聞いていますよという意思表示を示すようにします。そうすることで就活生にとってもより本音を話しやすくなりますし、本音を話してくれるからこそ面接官も評価しやすくなります。

6.答えられない質問もあるので追い込まない

前述のように、就活生というのは往々にして社会人としてのコミュニケーションは未完成です。インターンシップなどでサラリーマン社会と接点を持っているとはいえ、それは十分ではありません。日頃社会人としか話慣れていない面接官は、往々にして学生が十分に応えられなかったり、質問の意図を汲み取れなかったとき、ついつい何度も質問してしまいかねません。上手な面接官であれば、スマートに他の話題に移ったり、質問の答えが引き出せるようにアシストすることができますが、下手な面接官というのは相手に意図を汲み取らせようと同じような質問を何度もして追い込んだり、唐突にぶつ切りをして次の話題にいってしまうためまるで「不合格」の烙印を押したようになってしまいます。

社会人としては普通にコミュニケーションを取っているつもりでも、実際は追い込んでしまうこともあります。たとえば、「夏休み期間に2週間ほどアメリカに短期留学をした」というよくありがちな項目ですが、それをなぜ2週間なのかもっと長く留学しないのか、なぜイギリスではアメリカなのか、などと相手が答えられないところを突っ込んで質問をすると、圧迫とおもわれることがあります。とくにこちらが興味関心を示していても、答えられない場合はあまり質問を続けないほうがよいかもしれません。

どうしても社会人と接しているように質問を突っ込みがちな癖があるならば、「答えられなければ大丈夫ですよ」などと優しく言っておくと、圧迫感なく聞きたいことを聞きだせます。

7.時には選択肢で与える質問を用意しておく

あまり社会人とコミュニケーションを取ったことがない就活生にとって、面接試験というのは特別なものです。そのため、あらかじめかなり準備をしておく人もいます。しかしながら、すぐ答えられるかどうかは頭の回転の速さやどれくらい場数を踏んでいるかによるので、度胸があり頭の回転が速く饒舌な就活生が評価されがちです。

そのような弁の立つ就活生を採用しようとしている会社ならいいのですが、中身を見るための面接試験であれば、表層的なことしか面接で得られず、これもまた面接が下手な面接官ということになってしまいます。時には、○○と○○、あなたならどちらがよいですか?といった選択肢で与えるような質問を挟んでおくと、どのような就活生でも比較的応えやすいです。

うまい面接官というのは、質問方法を巧みに変えることで、その人の行動特性や資質をうまく引き出します。あらかじめ用意されている質問をずっと同じ形式でなぞるようにしていくと、聞いているほうも退屈ですし聞かれている方も疲れてしまいます。

8.応募者その人のこと、に焦点を当てるようにする

最近ではエントリーシートが一般的になってきて、ある程度の情報は書類審査で得られます。しかしながら、特に体育会系で実績を上げていたりアルバイトで実績を上げているといった就活生においては、そのチームだけの動きを見て採用したが実際はそんなに能力がなかったというミスマッチもあり得ます。有名なゼミのゼミ長、サークルのキャプテンなどにもよくありがちです。

学生時代頑張ったことなどを聞くときに、「組織としての頑張り」として答えてしまう就活生が多いのも、そのミスマッチの一因です。これでは、書類選考と同じような意味しかないので、せっかく面接をやる意味もありません。そのため、今までの経歴や頑張ってきたことに対して質問をするときは「そのなかで自分はどのような役割を果たしたか」「どのように動いたか」などその人、に焦点を当てた質問をするようにしましょう。

良く、学生は同じような答えをしてくる、とか実績だけをアピールしてくると嘆く面接官がいますが、これは学生にだけ責任があることではなく、面接官自体も質問の仕方が下手であるという原因もあります。特にそういったことが態度に出てしまうと、余計に印象も悪くなります。その人の頑張りに焦点を当てて質問しなおすような癖をつけるとよいでしょう。

9.書類はきちんと読み込んでおき、面接の事前打ち合わせを行う

今や多くの会社にエントリーすることは当たり前であり、書類選考も多くの企業で行われています。書類審査は若手がやり、中堅以上の人が面接官をする際によく起こりがちなのが、事前の準備が不十分でよく書類を読んでいない、ということです。就職難の時代であればそれもある程度は許容されましたが、採用市場が活発化している現在においては、書類を見たらすぐわかりそうなことを面接で聞くのはタブーです。人を大事にしていない、と判断されかねません。

自分は面接がうまくない、と思う面接官であればなお、事前準備をしっかりとしておきます。書類は丁寧に読み込み、書類審査担当でない場合は、書類審査担当の人とできれば打ち合わせをしておきましょう。どういった点がよくて書類審査を通過したのかわかれば、それに焦点を当てた質問をすることもできます。良い面接には、事前の準備が必要になってくるのです。

10.お互いの納得感を高める面接にするよう心掛ける

面接が下手な面接官の中には、面接をうまくやろうとしたり自分を良く見せようと思うあまり、必要以上に喋ったりすることがあります。場合によっては就活生が面接官に不快な気持ちを抱くことさえありません。面接が上手な面接官は、たとえ結果が不合格であったとしても就活生が納得感を得られます。また、面接を通過した学生も、次のステップに進むにあたって自分のこういうところが評価されたのだろうという納得感を得られます。お互いの納得感を高めるコツは、面接にはある程度の時間をとり、自分が話すだけでなく相手の話を聞くことに焦点を置くとよいです。

また、答えられなくなった時は、ある程度こういうことですか?などと助け船を出して次の設問に移る、相手の目を見て話しを聞く、といったようにある程度こちらがコミュニケーションをリードするようにするとよいです。そうすると自分の話を聞いてくれた、と思うので、面接に落ちてもある程度納得はするでしょうし、よその会社と選考日程が重なっていても、自社を選んでくれる確率も上がります。

大切なのは気遣いであり、親身になって話を聞くことと、失礼な質問であってもある程度親切に答えてあげることです。そうすると面接自体の雰囲気も良くなり、就活生が本音で話せるようになるので選抜もある程度簡単に行えるようになるでしょう。就活生を対等なビジネスマンとして扱い尊重し、そしてマナーに沿った行動をする、それだけでもかなり違います。

11.タブーである質問は絶対にしない

せっかく面接の雰囲気が良かったとしても、タブーな質問をしてしまっては一気にそれが台無しになってしまうことがあります。確かに、多くの会社では残業があるので、プライベートのことが気になる人もいるでしょうし、家族のことが気になる人もいるでしょう。

今どき女性はもちろん、男性であっても結婚観やプライベートな恋愛について聞くのはタブーです。もちろん、入社後の結婚退職などを心配してそういった質問をするかもしれませんし、プライベートなことを聞けば緊張が解けると勘違いする人もいるでしょう。しかしながら、就職差別につながるような質問はタブーであり、雰囲気も悪くなります。会話が盛り上がっても、仕事に関係のないことは聞かないように注意しましょう。

終わりに

面接官にももちろんうまい下手があり、面接が下手な面接官はうまく学生の選考ができないという弊害があります。それだけでなく、面接の雰囲気を壊して圧迫面接やタブーな質問を投げかけると、会社の評判を下げかねません。

面接が上手な面接官になるには、質問とその意図を考える、書類などを見て事前の準備をしっかりする、就活生を人として尊重し自らコミュニケーションをリードするようにすることが大切です。練習が必要な場合もありますが、心がけ一つで上手な面接官になることもできます。

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