社員の目標意識を高め、成果をあげよう!MBOや効果的な目標設定などを解説

企業の発展、業績アップは、社員一人では成し遂げることはできません。企業が掲げる数値目標や行動目標に対して、企業全体が同じ意識を持ち、努力することで初めて業績アップなど成果が実現されます。

ただ社員一人一人に思いがあり、中には目標意識が低い社員もいるでしょう。目標意識が低いと、業績アップや職場の雰囲気などの企業全体への影響があり、社員本人については離職リスクも高まります。

本記事では、まず社員の目標意識が低いことによる影響を把握します。次に目標意識を高め、企業全体で目標に向かうための取り組みを解説していきます。

 

1.社員の目標意識が低いことで起こるデメリット

企業における大きな目標は、業績アップでしょう。年商や月商などの業績を上げることが企業活動の第一の目標です。業績以外にも、社会貢献などの目標もあります。

企業は、複数の社員がいることで成り立つ組織です。社員は、人間であるため、考え方や思いをそれぞれに持っています。目標においても同じで、目標が高い社員、目標が低い社員が存在します。

少数の社員が目標意識を高く持っていても、企業の目標を達成することは難しいです。目標意識が低い社員がいると、企業への悪影響も考えられます。目標意識の低さが起こすデメリットを把握していきましょう。

1-1 【デメリット1】業績など成果に影響が出る

目標意識が低いと、仕事にモチベーションを持つことができず、仕事の生産性が著しく低下してしまいます。プレジデントオンラインにおける「意欲の度合いによる社員の生産性」の調査によると、通常の生産性を100とすると、意欲のない社員は、71%の生産性という結果が出ています。

目標がなく、目の前の仕事をこなすだけになってしまい、与えられた仕事を発展させたり、改善したりするプラスの仕事が期待できなくなります。目標意識の低さは、仕事のミスにもつながり、周りの社員の生産性にも影響を与えます。

生産性の低下によって、企業の業績にも悪影響を与えてしまいます。目標意識を高く持ち、意欲高く取り組むと、生産性は225%になるというデータも、プレジデントオンラインの調査が示しています。目標意識を高く保ち、生産性を向上・維持することが企業の発展に不可欠です。

1-2 【デメリット2】職場環境が悪化する

目標意識の低さは、目標意識の低い社員の生産性などが低下するだけでなく、職場環境にも影響を及ぼします。目標意識の低い社員は、目標達成のために努力することが期待できず、新たな発想は生まれにくい傾向があります。

企業は、部署やチームで仕事をするため、目標意識の差によって、チームの生産性を落としてしまいます。後ろ向きな思考を持っており、ネガティブな発言や行動なども現れるでしょう。目標意識の高い社員から不満が出るなど職場環境の悪化が起こりかねません。

目標意識の低い社員が、若手社員を教育するといった場合も、目標意識の低さが伝染したり、部下と上司で関係づくりができなかったりするなどデメリットがあります。

目標意識を高めるためには、一人ではなく、全体の目標意識を高い水準で統一することが重要と言うことができます。

1-3 【デメリット3】退職・転職など離職リスクが高まる

仕事に目標を持てないまま、仕事を続けていると、退職や転職を考えるようになります。現代では、仕事にやりがいを求めたり、自分の個性を生かしたりすることを重視する傾向があります。

目標意識の低い社員は、目標を持って取り組むことができる仕事へと流出する離職リスクが高まります。離職が起きると、人材が不足し、業務が滞るなど、企業活動に影響がでます。離職は、他の社員に与える影響もあり、モチベーションの低下につながります。

3つのデメリットはすべて、目標意識の低い社員本人だけにとどまらず、企業の発展や周りの社員の目標意識など全体に影響を与えることが分かります。

2.目標意識の低い社員が生まれる原因

企業で働いているということは、ほとんどの場合、社員は仕事内容や企業の目標に興味を持ち、貢献したいと考えていると捉えることができます。はじめから目標意識が低いことも考えられますが、働いているうちに目標意識が薄れていくというのがほとんどでしょう。

なぜ目標意識の低い社員が生まれるのでしょうか。原因を理解することで、目標意識の改善に取り組みやすくなります。自社の状況をイメージしながら、原因を見ていきましょう。

2-1 目標の意図が伝わっていない

目標に対する社員の捉え方は、一人一人に違いがあります。目標から意図を汲んで、目標意識を高く、仕事に取り組む社員がいれば、目標に対して不満を持ち、目標意識が低くなる社員もいます。目標を設定するだけで、意図がわからないと、目標意識が低くなると言われています。

目標設定に際して、目標の意図を伝えることが大切です。なぜこの目標を設定するに至ったかといった背景や根拠を伝えることで、目標への理解を図ることができます。

背景や根拠に共感し、目標意識を明確にすることができ、目標に対して取り組む姿勢が生まれます。目的意識の差は、目標設定の仕方にもあると言えます。

2-2 人事評価・給与体系に不満がある

社員は、自分の仕事の対価として、上司から評価されたり、賞与などに反映されたりするなどを求めます。企業の目標を理解して取り組んでいたとしても、適切な評価や給与を得られなければ、モチベーションが下がり、目標への意識も薄れていきます。

目標意識は、個人の考え方や思い、目標設定の仕方などにあると思いがちですが、評価や給与などの待遇面に問題があるかもしれません。社員が目標に対して、やりがいを持って取り組むことができているかを見直し、待遇を改善するのも、目標意識を高める方法の一つです。

2-3 社員の目標管理ができていない

目標を伝える側であるマネージャー、リーダーといった管理職が社員を統率できていないと、目標意識を統一することができません。上司と部下の関係ができていない場合、目標を受け入れることができず、個人の目標を優先したり、目標意識が低下したりすることが考えられます。

社員の教育や管理ができていない状態で、目標を設定しても効果がありません。それぞれの目標意識で取り組むことが容認され、業務に支障が出る可能性があります。

目標を設定する側と目標に取り組む側の関係づくりのために、職場環境の改善も必要です。

3.MBO(目標管理制度)で目標意識を把握する

目標に対する考え方や捉え方は、社員それぞれであるため、社員全体の目標意識を高め、統一するためには、一人一人の目標意識を把握する必要があります。

目標意識の把握を実現する制度をMBO(目標管理制度)と言います。成果主義にともなう人事評価の重要性の高まりに合わせて、登場した考え方です。ビジネスマンをはじめとした多くの方に知られるドラッカーが提唱しました。

MBOを導入することで、社員が目標に対して、どのように考えているか、どの程度達成できているかなどを把握することができます。

3-1 MBO(目標管理制度)とは

MBOとは、社員それぞれの目標と、企業の目標を連動させ、企業の発展を図るための制度です。

・能力開発

・目標職務

・遂行目標

・業務改善目標

・業績目標

に分けられ、それぞれの項目に対する自己評価と上司評価を行い、目標意識の把握、フィードバックをします。

目標に対する意識は曖昧な部分が多く、直感的な判断をせざるを得ませんでしたが、目標管理シートやHRテックツールなどを活用したMBOで、客観的に目標意識を図ることができるようになりました。

特にHRテックは、人材管理や人材育成の部分で普及しつつあるため、目標管理にもぜひ導入したいツールと言えます。

3-2 MBO(目標管理制度)のメリット

MBOを取り入れることで、目標意識が明確になり、目標を達成できたかどうかで評価がしやすくなります。目標に対して、足りない部分を鍛えることにつながり、人材育成にも生かすことができます。

目標の達成への努力を促すことにもつながり、目標意識の向上も図ることが可能です。社員一人一人が目標を持って取り組むことで、結果として企業の業績アップを期待できます。

3-3 MBO(目標管理制度)のデメリット

MBOは、人事評価と直結するため、達成できそうな目標を設定したり、自己評価を高くしたりする場合があります。報酬や評価を上げるための目標ではないことや能力にあった目標であるかなどに注意し、目標意識を高く維持できる目標設定が求められます。

3-4 MBO(目標管理制度)で社員の目標意識を統一する運用方法

MBOによって、一人一人の目標を把握できていても、目標を達成することでたどり着くゴールが設定されていないことも考えられます。それぞれのゴールに向けた目標に取り組むことになり、企業の業績アップなどの全体目標の達成につながらない可能性があります。

MBOを目標意識の向上・維持に運用する際には、まず全体目標の設定をしましょう。全体目標を共有した上で、個人目標を設定することで、企業の目標を達成するための意識統一をすることができます。

ただ企業の目標を押し付ける形になると、社員の自主性が反映されず、かえって目標意識が下がる可能性もあります。自主性を重視した上で、目標を設定し、実行、確認、フォローを欠かさずに目標に取り組んでいきましょう。

4.社員全員で取り組むことができる目標設定のチェックポイント

業績アップなどの企業全体で取り組む目標の達成には、社員全員の目標意識を一つにすることが不可欠です。これまで解説してきた目標意識の低い社員が生まれる原因やMBOの考え方も重要ですが、目標そのものにも目を向けてみましょう。

目標が適切でないと、社員は目標の必要感などに疑問を持ち、目標意識を持つことができません。目標設定について、チェックしたい項目として

・現実的か

・具体的か

・共感できるか

の3つをピックアップしました。

3つのチェックポイントにしたがって、自社の目標を見直してみましょう。

4-1 【チェックポイント1】現実的な目標かどうか

高い目標は努力が必要で、モチベーションの向上を図ることができます。しかし、高すぎる目標は現実的でなく、達成できるビジョンをイメージできず、目標意識は低下してしまいます。

現実的であるかを図る目安は、業績や期日、社員のスキルなどです。現在の業績と目標がかけ離れていたり、間に合いそうにない期日設定がされていたりすると、現実的とは言えません。社員のスキルから考えて、達成できない目標も同様です。

現実的な目標設定をするためには、目標を企業の上層部だけで決めるのではなく、一般職や現場も参加するのがおすすめです。企業全体で目指したい目標と現場の声が合わさることで、達成の可能性のある現実的な目標を設定することができます。

4-2 【チェックポイント2】具体的な目標かどうか

現実的な目標であると同時に、目標が具体的であることも重要です。「業績〇〇円達成」という目標は、一見具体的に見えますが、数値だけでは目標の難易度やビジョンを把握することができません。

目標に対して、現在の業績はどの程度か、目標達成まで後どれくらいの業績が必要かなど、目標に関するデータも合わせて提示することが大切です。

具体的な目標と合わせて、目標達成のために考えられる方法を伝えることにも効果があります。目標と達成方法が具体的になることによって、社員は取り組みやすくなり、目標意識を統一することができます。達成までの推移の把握や達成に向けた指導など、管理職にとってもメリットがあります。

4-3 【チェックポイント3】共感できる目標かどうか

現実的かつ具体的な目標でも、社員の共感が得られなければ、目標意識を一つにすることは難しくなってしまいます。

目標に対する共感を高めるには、目標を達成することの意義などを伝える方法があります。目標を達成する過程で身に付けることができるスキル、達成した後に得られるメリットなどを伝えると、目標に向かって取り組むことの意義を理解することができ、共感につながっていきます。

目標への共感を促すためには、目標に対してどう考えているかを社員にしっかりと伝えるコミュニケーションが不可欠です。部署やチーム単位で共感を高めるコミュニケーションを心がけ、企業目標への共感をまとめていくことが求められます。

5.目標設定から達成まで高い目標意識を維持しよう

適切な目標設定ができれば、社員一人一人が目標意識を高く持って、企業目標達成に向けて努力することができます。

目標設定から目標達成までには、多くの業務があり、一筋縄ではいかないでしょう。つまづいてしまったり、考えが変化したりして、目標意識が低下することも考えられます。

目標意識の統一・維持するためには、目標を共有することや進捗を確認することが重要です。目標設定で満足せず、目標達成に向けて高い目標意識を維持しましょう。

5-1 目標に対する意識を全体で共有する

目標が適切でも、目標意識が共有されていなければ、それぞれの目標に向かってしまう可能性があります。ミーティングなどを通して、目標設定の背景や目的を全体で共有しましょう。

目標と合わせて、課題の整理、解決策も共有することができれば、さらに詳しく目標意識を共有することができます。目標に向けて、企業全体やチームにどのような課題があるかを明確にし、解決策を考えます。

とりあえずの課題や解決策ではなく、何度も考えることが重要です。目標達成に向けたスタートとして、初めの目標意識共有に力を入れましょう。

5-2 目標への進捗を把握する場を作る

目標意識を再確認する場として、進捗を報告する場を作りましょう。目標を達成するまでの期日を考慮して、週単位、月単位などでミーティングを開きます。ミーティングまでの進捗を全体で共有し、達成までに必要な業務や課題を明確にします。

達成度や課題が明らかになると、達成までのビジョンをイメージすることができます。目標意識が途中で低下してしまうことや違う方向に行ってしまうことを防ぐために、進捗報告は重要です。

社員全員でのミーティングが難しい場合は、部署やチームごとにミーティングを実施し、まとめたものをリーダーで共有するといった方法をとり、可能な限り企業全体で、進捗を把握しましょう。

5-3 目標の振り返りを行い次につなげる

企業を発展させることは、目標を絶えず設定し、目標意識を持って仕事に取り組むことの繰り返しです。一つの目標に対する結果が出た時に、一喜一憂するのではなく、目標への振り返りを行いましょう。

・目標設定が適切であったか

・目標達成に向けた課題解決ができていたか

・社員の目標意識を高めること・維持することができたか

といった項目で、目標そのもの、目標に対する取り組みを振り返ります。企業目標と個人目標がリンクされていると、振り返りは社員個人の振り返りにも生かすことができます。新たに目標に取り組む土台となり、目標意識を作りやすくなります。

6.まとめ

社員一人一人の目標意識は、企業目標達成に不可欠な要素です。社員が一つになって目標に向かうためには、現実的かつ具体的で、共感できる目標であるか、目標設定から目標達成までに働きかけをしているかに目を向ける必要があります。

社員が全力で取り組むことができる目標を設定し、目標達成までの過程でミーティングなどを行い、目標意識を高め、維持することが理想です。MBOなどを活用し、企業目標と個人目標をリンクさせ、社員一丸となって目標を達成できるようにしましょう。

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