Google for JobsのSEOに必要な知識・ノウハウまとめ

2018年ごろから、いつ日本に上陸するのか注目されていたGoogle for Jobs(グーグル・フォー・ジョブズ)求人広告市場や求人業界全体が大きく変わるのではないかと話題になっていました。これから活用しようと考えている企業も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、Google for Jobsを活用する時に欠かせないSEOについて、必要な知識やノウハウをまとめてご紹介します。一から採用ホームページを作る、あるいはGoogle for Jobsの仕様に変更する際はぜひ参考にしてみてください。

 

Google for Jobsとは一体どんなもの?

そもそもGoogle for Jobsが一体どんなものかをご紹介していきましょう。Google for Jobsは、Googleのブラウザで表示される「仕事検索機能(Googleしごと検索)」です。求人サイトのようにそのサイトに載せた求人情報だけではなく、あらゆる求人情報がまとめて表示されます。求人サイトはもちろん、企業の採用ホームページに載っている求人情報も集めて表示。企業のホームページに関しては、Google for Jobsの掲載基準に合った様式になっていれば自動で掲載(転載)されます。

Googleの検索窓に「渋谷区 広報 求人」などのキーワードを打ち込むと、それに該当する求人情報が表示されます。カテゴリ(職種)、地域、投稿日、勤務形態、会社名などの5項目で絞り込みが可能となっているため、非常に検索性が高く、それ以外の項目を検索窓に打ち込めば、さらに詳細な情報を絞り込んでいくことができます。

この検索結果は機械学習とAIによって、より精度の高い情報にたどり着けるように設計されているので、どんどん使いやすくなっていくという特徴があります。

LinkedIn、Facebook、Careerbuilder、Monster、Glassdoorなどのサービスとは競合せず、提携する形で運用されるため、情報が一元化していくという意味でも非常に便利になっていくでしょう。

Google for Jobsはどのように表示される?

検索窓のすぐ下には広告枠。その下にすぐ表示される場合と、オーガニック検索(広告ではなく検索で表示される、Googleの評価が高いページ)の下に表示される場合があります。ここではIndeedなどのオーガニック検索が表示されていますが、Indeedが毎回上に来るわけではなく、他の求人広告になったり、Google for Jobsが広告枠の直下に表示されたりと状況によって異なります。

世の中には数多くの求人サイトや企業の採用ホームページが存在しますが、Google for Jobsであれば、情報を一元管理できるため、非常に便利です。

また、希望条件を打ち込めばその文言が入っているページを検索結果に表示してくれるため、精度の高い情報を見ることができるというメリットもあります。GoogleのブラウザであるGoogle Chromeは、株式会社ウェブレッジの「Webブラウザシェアランキング(2018年12月):日本国内」によると、さまざまなデバイスの利用率を合わせると、Google Chromeの利用シェアは50%以上。

出典:株式会社ウェブレッジ「Webブラウザシェアランキング(2018年12月):日本国内」

https://webrage.jp/techblog/パソコン_browser_share/

日本国内でも一番使われているWebブラウザですから、利用者にとっても利便性の高いサービスである可能性を秘めているといえるでしょう。

Google for Jobsはどんな影響を与える?

対求職者

求職者に対しては先程と重複しますが、情報の一元化・機械学習やAIによる検索精度の向上など、利便性が高くなることが挙げられます。しかも普段から使っている人も多いWebブラウザですから、多くの企業がGoogle for Jobsに対応してきた場合は職業を探す時のメイン媒体となる可能性も秘めています。

対企業

企業としては、下記のようなメリットがあるでしょう。

・求人サイトや人材紹介→自社のホームページ採用が増える

これまでの採用手法としては、自社ホームページやリファラル(縁故)採用、SNSでのソーシャルリクルーティング以外に、求人サイトの活用や人材紹介を受ける方法があります。企業にもよりますが、リファラル採用やソーシャルリクルーティングでは採用人数がそこまで確保できないケースも。

大人数の採用を行う場合は従来通り、求人サイトでの募集を行う、あるいは人材紹介会社に依頼するなどあらゆる方法を使って採用する必要がありました。しかし、求人サイトの場合は掲載料金がかかり、人材紹介の場合は紹介料が発生します。

自社の採用ホームページであれば、掲載期間も掲載料金の縛りもなく掲載ができるので、ホームページ経由からの採用を増やすことが可能です。

・採用コストが削減できる

求人サイトは応募があってもなくても金額が変わらないものがほとんどで、掲載順位を上位にするには高い広告金額を支払う必要があります。人材紹介の場合は採用するまで紹介料が発生しませんが、採用した場合はその人材の年収20~30%を相場とした紹介料を支払うルールがほとんど。

これをGoogle for Jobsに少しでも切り替えられれば、採用コストを大きく下げられますし、これから利用者が増える見込みがあるサービスでもあるので、今後よりコスト減を狙える可能性も大いに期待できそうです。

・検索精度が高いため、マッチング率の高い人からの応募が増える可能性も

検索エンジンを持った企業の仕事探し機能ですから、検索精度が非常に高いです。そのため、自社とのマッチング率が高い人からの応募が増える可能性もあり、時間・採用費のコストの削減も期待できます。

また、マッチング率の高い人であれば、面接回数を減らしても問題がない場合もあるでしょう。選考の工程を削減できる可能性も上がると考えられます。

Google for Jobsに載るために必要なSEO知識とは?

では、Google for Jobsに求人ページを載せるために必要なSEO(検索エンジン最適化)知識について、ご紹介します。SEOに関わる項目はたくさんありますが、主にこの5つは押さえておきましょう。

Google for Jobsの掲載基準を満たしていること

まずはGoogle for Jobsの掲載基準を満たす事が重要です。カテゴリ(職種)、地域、投稿日、勤務形態、会社名で絞り込みができるようになっていることと、求人の有効期限が表示されるようになっているため、下記項目の掲載が必要となります。

・カテゴリ/職種(title)

・概要(description)

・投稿日(dateposted)

・企業名(hiringOrganization)

・勤務地(jobLocation)

・求人の有効期限(validThrough)

ユーザー(求職者)にとって有益な情報が載っていること

上記は最低限の情報となりますが、ユーザー(求職者)はアルバイト・パート先として働く、あるいは就職・転職するための情報を求めています。仕事内容や募集人数、求められるスキル、募集背景や社風など、その企業を知ることができるコンテンツ(内容)が含まれているかはとても重要。

Google for Jobs側でも、ユーザーが求めている情報が載っているかをチェックしていますので、できるだけ有益な情報を整理して盛り込んでおくことが大切です。Google for Jobs以外のWebページに関しても、検索している情報に関してより有益な情報を載せているページを上位表示するという法則となっています。Google for Jobsでも同じ考え方で設計するのがおすすめです。

信頼性の高いサイトからリンクがあること

こちらもGoogle for Jobsに限らずWebページ全般にいえることですが、信頼性の高いサイトからのリンクはとても重要。信頼性の高いサイトからリンクされている場合は、リンクされた方のWebサイトの信頼性が高まります。

上位に表示される=信頼性も高く、有益な情報が載っているとGoogleが判断したサイトとなりますので、信頼性を高めることはSEO上、非常に有効なやり方です。

レスポンシブ(モバイル最適化)デザインであること

レスポンシブ(モバイル最適化)デザインとは、パソコン用の横長モニタ形状に最適化(横長で一番見やすい)画面設計も、タブレットやスマホ、ガラパゴス携帯などの縦長画面の形状でも見やすい画面設計の両方を兼ね備えたデザインのことをいいます。

つまり、表示される画面のサイズに合わせて一番見やすい状態に適応するデザインということ。最近ではスマホ自体の進化やインターネットの速度が4Gや4GLTEなどで上がったことによって、パソコンよりもスマホを使うことが多くなってきています。

2018/5/25の日本経済新聞によると、インターネット利用機器はスマホが54.2%とパソコンを上回ったという結果が出ています。

出典:日本経済新聞「ネット利用、スマホがパソコンを逆転 総務省調査 」

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30954390V20C18A5EA4000/

スマホの利用率が上がってくると共に、Googleはレスポンシブデザインかどうかを重視するよう、SEOの基準を変更したのです。

Webサイトのスピードが早いこと

Webサイトのスピードとは、そのページをクリックしてからWebページが表示されるまでの時間です。映像データなどが重たすぎる、ファイルの読み込み数が多いなどの問題でWebページの表示速度が下がります。

Webページの表示速度を上げるためには、下記のような方法が必要です。

・画像や映像の数を減らす

Webページ内にたくさんの画像や映像をアップしている場合、ページの表示速度が明らかに遅くなる場合があります。その場合はページの表示速度を早くするため、画像や映像の数自体を減らすようにしてみてください。重たいデータから減らしていくことをおすすめします。

・携帯やスマホ、パソコンなどのデバイス別に、画像サイズを変更する

携帯などの場合、パソコンやスマホに比べてスペック(性能)が低く、データ量の多い画像などを表示するのに時間がかかる場合も多いです。その場合、スペックの高さに合わせて画像サイズなどを変更すると、Webページの表示速度を上げることができます。

・CSSやJavascript(Webページを作る言語)ファイルを圧縮する

CSSやJavascriptなど、Webページを作る時に使う言語がありますが、そのファイルが膨大になっているケースもあります。余分な箇所を取り除いてファイル自体を軽くしましょう。

・CSSやJavascriptファイルの読み込みを必要最小限にする

CSSやJavascriptなど、Webページを作る時の言語ファイルが多く、読み込みをするときに時間がかかり、表示速度が遅くなる場合もあります。そのページを表示するだけに関わるファイルのみ読み込むようにし、読み込み数を減らすことで、表示速度を上げましょう。

・キャッシュの保存期間を長くする

キャッシュ(一度表示したWebページのデータを保存しておくこと)の保存期間を延ばすと、再度そのWebページに訪れた時に表示速度を上げることができます。Webページのコンテンツとしてこれ以上画像や映像などの要素が減らせない場合などはこのキャッシュの保存期間を延ばすという方法も有効です。

また、Webページがどのくらいのスコアで改善すべきかというと、下記サイトで80点しか出ない場合は即改善が必要です。自社のページがどのくらいのスコアかはよく把握しておきましょう。

・PageSpeed Insights

https://developers.google.com/speed/pagespeed/insights/

Google for jobs SEOに役立つ採用ホームページ作成のノウハウ

自社ホームページはあったとしても、自社の採用ホームページを作っていないという企業もまだまだあるはずです。そこで、自社の採用ホームページを作る場合、どのように作成すればいいかを確認しておきましょう。

採用ホームページ作成で人事が行うこと

採用ホームページを作成するときには、1ページの中に箇条書きで求人票を載せるという形式ではなく、1ページごとに下記内容を盛り込んだページ作成をするようにしてください。つまり、採用ホームページのトップページから部署や部門に分かれ、そこから職種ごとのページに分岐していくイメージです。

・カテゴリ/職種(title)

・概要(description)

・投稿日(dateposted)

・企業名(hiringOrganization)

・勤務地(jobLocation)

・求人の有効期限(validThrough)

求人ページ作成プログラマに依頼すること

ページを作成するときには、HTML5・CSSなどを使って作成するよう依頼してください。その際、下記の2つを依頼するようにしましょう。ページ作成経験のある人であれば把握していることも多いですが、もしあまり歴が長くない場合は丁寧に説明するようにしてください。

・Googleがチェックできる状態にする

Googleのbot(インターネットにまつわる操作を自動で行うプログラム)がインターネット上に上がっているWebページを巡回(クロール)チェックし、その情報をデータベースに整理して収めておく「インデックス」を行える状態にしてもらうこと。

・ページに何が書いてあるかわかりやすく(マークアップ)する

そのページに何が書いてあるのかわかりやすくするために、目印をつけることをマークアップといいます。この目印をページ全体に対して行うことを構造化といい、正しい文書構造を駆使して構造化しておくことが重要です。

正しく構造化できているかどうかをチェックするツールがこちらです。URLを貼り付けてエラーなしであればOK。エラーがあれば即対応しましょう。

出典:Google構造化データテストツール https://search.google.com/structured-data/testing-tool/u/0/?hl=ja

・Googleにサイトの構造図(サイトマップ)を送る

ページの構造化までが完了したら、Googleにサイトの構造図(サイトマップ)を送りましょう。Webページがこのような構造で組み立ててあるサイトですよと伝えることで、情報が整理された状態となり、検索結果の上位に表示されやすくなります。

出典:Googleしごと検索

https://developers.google.com/search/docs/data-types/job-posting?hl=ja#guidelines

まとめ

ご紹介したように、さまざまな綿密な準備が必要とはなりますが、一度自社の採用ホームページを作ってしまえば、いつでも求人情報の掲載は可能です。今すぐに効果が出なかったとしても5年後10年後には、「やっていてよかった」と思えるような状態になるはず。

今から取り組んでノウハウを貯めておき、将来の採用活動を楽にできるようにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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