若手を中途採用したい!効率的に採用活動を進める方法とは?

はじめに

今や企業、組織を適正に維持するためにも中途採用は欠かすことができず、人事採用部門の重要な仕事の一つになっています。そのようななか、特に若手の中途採用のニーズは日に日に高まっており、第二新卒専門の就活サイトがあるくらいです。しかしながら近年、採用活動には公平性が求められ、ハローワークで求人を出そうとすると年齢制限がかけられないなど、欲しい年齢層の人材をダイレクトに採用することは困難を極めるものです。そのため若手社員、特にほしい年齢層の社員を労力をかけずに採用する方法を知りたいと思う人事採用部門の人も増えてきています。

1.世代によって採用のニーズが違う

中途採用の社員を採用するにあたって、一口に中途採用の社員といっても簡単にはいかないことが多いでしょう。なぜなら、社会人経験の経験年数によって、できることもまず、中途採用の社員を採用するにあたっては、どの年齢層のどういった能力や資質を持った人を採用するかを決めることが必要です。

若手の中の若手、20代前半の社員と若手の中でも20代の後半、30代前半では求める人物像も違います。20代前半は、入社して比較的すぐに退職した人で、入社して大した仕事をしていません。しかしながらビジネスマナーなど一定の知識は身についているので、そのまま仕事をすることができるでしょう。他社に染まりすぎていないので自社の文化をこれから覚えられるでしょう。

20代後半になると、一定の業務を経験してある程度自分で仕事ができるようになっています。多くの人はセルフマネジメントができており、ある分野の仕事を任せられるようになるかもしれません。しかしながら即戦力に必ずしもなるかといえばそうでもなく、まだ育てがいのある世代であるともいえます。

30代になると、ある程度社会人としての軸ができつつあります。一定の仕事を任せられている場合も多く、スキルが身についています。部下のマネジメントやチームマネジメントを経験していることもあり、そういった経験をスキルとして求めるとよいかもしれません。このように、若手の中途採用と一口にいっても、いろいろな違いがあるのです。

2.中途採用には求める人物像の具現化が大事

若手社員を効率的に中途採用するのであれば、まずは求める人物像、スキルなどをより具体化することが大切になります。若手とは職務経験がどのくらいの人を指すのか、前職でどういった経験があるのかなどといったことです。若手というのはどのくらいの年齢層なのかというのは、チームの他のメンバーとのバランスなどを考えましょう。

よく失敗しがちな採用として、とにかくスキルの高い人を採用しようということです。いくらスキルが高かったり、前職で同じ経験を積んでいたとしても、求める人物像と異なっていたら、大した仕事ができないという不満につながったりすることもありまた早期離職をするかもしれません。そのため、どの程度の職務経歴なのか、年齢層、スキルなども含めてしっかりと採用担当者の中で共有化しておくことが必要になります。採用して実際に配属される部署の責任者も交えて条件を詰めると、ミスマッチがなくなることでしょう。

また、中途採用の応募者においても、会社の理念などをアピールされるよりも、どのような仕事を担当し、それを遂行するためにどのようなスキルを持っておいたほうが良いのかを書かれて募集している企業のほうが応募しやすいです。特に中途採用市場においては、時間も限られているので応募する企業を絞ってから応募する傾向があります。そのためには、優秀な人材が他社ではなく確実に自社に応募してくれるような具体的な求人情報が必要です。

3.若手社員なら大学の就職課にアピールする方法も

最近では大学の就職センターなどで就職活動をすることが当たり前になってきています。大学によっては新卒の学生だけでなく、何らかの理由で就職できなかったり早いうちに離職した学生が就職先を求めて相談に来ることもあります。そのため、現在つながりのある大学に、アポイントを取ってみるのも一つの方法です。

大学の就職課を利用した採用方法であれば、まだ大学とコンタクトがあるくらいの若手社員をピンポイントに採用できます。加えて、大学に求人を出すだけなので人材エージェントなどを利用するときと比べて費用も節約できます。特に若手の中途採用社員を採用したいときには役立つ方法の一つでしょう。しかしながら大学といっても多くの求人票を取り扱っていますので、実際に電話するかアポイントを取ってから求人を出すとよいでしょう。同様の方法で、専門学校などでも早期離職者とコンタクトを取っている学校があるかもしれません。

4.自社の求人サイトを充実させる

第二新卒からある程度仕事やマネージメントのできる若手社員にまで有効な方法が、自社の採用サイトを充実させることです。企業の求人サイトといえば、新卒の部分は充実していますが中途採用については特に手を付けていない、という企業も少なくありません。しかしながら、中途採用を考えている人は、入りたいと思う会社のホームページをチェックしている場合も多いのです。

中途採用をしています、という情報だけではなかなか実際の応募にはつながらないかもしれません。新卒の人ばかりで中途入社の人が溶け込めないような雰囲気の会社に、自社サイトから応募しようという人はあまり多くないからです。先輩社員の声、のところに中途採用社員のものも掲載するなどすれば、気軽に応募しやすいです。ターゲットとなる年齢層が応募しやすいようなホームページの構築が望まれます。

5.社員からの紹介制度を確立する

効率的に若手社員を中途採用するのであれば、社員の紹介制度を確立するといった方法もあります。社員からの紹介であれば、人事部が時間をかけて説明しなくても会社の雰囲気などを伝えることができますし、そもそも自社にいる社員からみて会社の雰囲気に合っているかどうかをある程度チェックしてから採用面接できるからです。また、応募者においても福利厚生など実際に採用面接では聞きづらいことでも事前に知り合いに聞くことができるので、実際の採用におけるミスマッチを防ぐことができます。

ただし、単に紹介してください、といってもなかなかその制度を利用しようと思う社員は少ないでしょう。実際に入社に至ってしばらく働いたら報奨金という形で何らかのご褒美制度を確立すると、よい人材を紹介してくれる確率も上がります。ただし、形としてはきちんと採用を行い、要求されるレベルに応じなければ採用しないということを事前にきちんと伝えておくことは必要です。紹介された社員にインセンティブを与えるということは確かにコストがかかりますが、転職エージェントに支払う金額やゼロから応募者を探していく労力に比べればはるかに低コストです。

6.ツイッターなどのSNSを利用する

今や新卒採用においてツイッターやフェイスブックといったSNSを利用することは一般的になりつつあります。ほかの方法に比べて低コストで、全国各地の応募者とリアルタイムでコンタクトを取ることができるからです。中途採用に応募したいと思っている人、会社を退職はしないものの、良い会社があれば転職をしたいと思っている人は、そういったSNSをチェックしているからです。

中途採用を始めるのであれば、まず会社のアカウントであるフェイスブックやツイッターでその情報を流します。ですが、これらは情報が拡散され、意図していない層の応募者が膨らむリスクがあります。もちろん字数の制限などはありますが具体的にどのような業務を経てどういったスキルがある人かを細分化したうえで募集したほうが良いでしょう。転職情報にかかわらず、普段から企業の情報をツイッターなどで流していれば、それだけその企業に興味関心を持つ人を増やすということにもつながります。

どのようなツールを使うのか、それも考えておかなければなりません。どちらかというとツイッターは若い人が利用することが多く、フェイスブックは20代後半から30代の人が利用することが多いです。募集している年齢層によりどの媒体に情報を流すか、使い分けるのがよいでしょう。

転職を考えている人とはLINEでコミュニケーションをとるようにするとよいでしょう。自社の中途採用専門のLINEアカウントを作り、よいと思った人とはLINEでやり取りすることもできます。限られた面接の時間しかなくても、LINEであれば事前に確認事項をもれなく確認できますし、遠隔地に住んでいる人ともコミュニケーションをとれるでしょう。このようなSNSを使ったやり方は効率的かつ費用が掛からないことも良いです。

7.転職情報サイトを利用する

全国各地に求人を出したい、確実に中途採用の人材を採用したいと思うのであれば、転職サイトを活用するのがよいです。しかしながら転職サイトと一口に言っても色々なものがあり、それぞれに条件や登録者数が違うので注意が必要です。若手を効率的に採用したいと思うのであれば、若手がたくさん登録する転職サイトを選択しましょう。

また、サイトによって若手に特化したもの、エンジニアに特化したもの、グローバルに採用しているものなどそれぞれの特色もあります。また、料金体系もサイトによって違いがあり、成約してから料金を支払うものや、求人情報を掲載するときに出すものなどです。どのようなサイトを利用したら効率的に求める人材を採用できるかしっかりと考えてから利用するとよいでしょう。

費用は掛かる反面、応募の母集団も多くなりますので、配属される部署や年齢層に合わせた人材を採用できる可能性が高まります。また、断るときも人材会社を通じて断ればよいので、そういった手間が省けることも魅力の一つです。

8.転職フェアを活用する

意外と活用されていないのが転職フェアです。転職フェアとは人材会社などがその土地に就職したい人を対象に行っており、確実に転職したい人が来てくれるというメリットがあります。また、場所によっては地方自治体の補助がある場合もあるので、転職フェアへの参加もかなり低料金で済むことも活用したい理由の一つです。

転職フェアの成功率は決して低いものではなく、ほとんどの企業が何らかの手掛かりを得て帰ってくるものです。また、求職者が集まっており、面接する前に話ができるので、そこで自社にマッチする人間かどうかを見分けることもできます。また、この時に連絡先などを聞いておけば、今後ダイレクトにアプローチすることもできるので、たとえフェアであまり収穫がなかったとしても今後の採用につなげることはできます。転職フェアは、いろいろな人材会社が行っているので中途採用を考えてみるならまずは調べてみるとよいでしょう。

9.選考辞退や内定辞退を防ぐ努力を

せっかく採用した人材が定着しない、中途採用試験をしても内定を決める前に他社に行かれるといった悩みを持つ人事担当者は少なくありません。特に選考の過程で辞退した人はのちに振り返ることも少ないので同じミスを犯しがちです。しかしながら、一度は転職先を探しているのですから、入社してくれる確率は高かったはずです。これが選考辞退、内定辞退につながるのであれば、少なからず人事採用部門に原因があるでしょう。

特に中途採用を考えている人は、理念以上に実際に働くうえでの条件に敏感です。新卒の時には理念などで会社を選んでいたとしても、実際に生活していると長時間労働のわりに低賃金な企業では家庭が築けないといった理由などで転職活動をする人もいます。そういった人のためにも、きちんと給与などの条件を開示しましょう。どのような給与体系でどういった費用が差し引かれるのか、支給する手当と控除する手当などを詳しく情報開示します。

加えて、中途採用を考えている人が気になる賃金体系や人事評定制度についても、あらかじめ募集要項などで開示します。転勤や社宅の有無など気になるところも隠さずに開示しましょう。そうすることで企業の給与体系や福利厚生制度、転勤などに納得した人が入社するわけですから、応募したけれど条件が合わずに内定辞退もしくは選考辞退、というのが起こらず効率的です。

選考の過程でこういった手当や処遇について説明すればよいという意見ももちろんあるでしょう。応募者側があまりものを知らない新卒採用であれば、もちろん処遇は二の次でもよいでしょう。しかし、中途採用を考えている人の多くは、やはり処遇は気になるものです。あらかじめ応募時に知らせておくのがよいでしょう。面接時には、会社のアフターファイブについても話しておき、入社してからあんなはずではなかった、というギャップを防ぐようにしましょう。

10.中途採用する人材が定着するような努力を

中途採用をした人が定着しないのは、せっかく採用に費やした努力が無駄になります。もし給与体系や職場の雰囲気が新卒採用の人に有利になっているのであれば、むしろ新卒採用を充実させて育てたほうが効率的であることもあります。そのため、中途採用をしようと思うのであれば、まずは求める人物像を具現化し、そしてそういった人が採用されたときに職場に溶け込めるのか、研修体系などを作らなければなりません。万が一給与体系や人事評価制度が新卒向けになっている場合は、こういった部分も手直ししていく必要があります。

中途採用を充実させても人材が定着しないといった場合は、その職場に原因があることも少なくありません。職場全体が中途採用の人材を育てるようになっているか、早期離職の原因になるような問題のある管理職がいないかなどは、あらかじめ人事部がチェックしておかなければありません。人事部の中には、中途採用の人材を定着させるのはその職場の仕事、といった見方をする人もいますが、まず定着するためには会社自体がきちんとその方向を向かなければなりません。毎年のように行われる新卒採用についてはそういった努力はできるものの、中途採用についてはなにもしない人事部も少なからずいます。一度定着するともう採用しなくてよいのですから、中途採用者をしっかりと定着させることが業務の効率化へと結果的にはつながっていくのです。

おわりに

効率的に中途採用活動をするのであれば、まずは求める人物像を明確化することです。入社して2,3年目の人を中途採用するのと、20代後半の人、30代の人など若手と一口にいってもどういった行動特性やスキルに違いがあるからです。効率的に中途採用をする方法としては、転職サイトを利用するだけでなく、SNSを使うなどといった方法もあり、これらはあまり費用もかかりません。自社サイトや社員からのリクルーティングといった方法もあります。採用活動に関しては、処遇や人事評価などはきちんと情報開示し、応募段階でミスマッチを防ぐのがよいでしょう。

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