部下に指示を出したり会社のために働く人を、企業側としてはリーダーに任命したいと考えるものです。ただリーダーは会社のために働くことも大切ですが、何より部下を教育していくことに力を注いでほしいと企業側は考えます。
しかし最初からリーダーの素質を持ち合わせている人は少なく、ほとんどの企業では今後の管理責任者としても活躍してくれるリーダーの育成に力を注いでいます。ではそんな部下を教育できる、責任感の高いリーダーを育てるための方法とはどういったものなのでしょうか? そこで今回は、部下を教育していけるまでのリーダーを育てていく方法について解説していきます。これから新たなリーダーを育成していこうと考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
1.部下を教育するためのリーダーの役割とは?
リーダーは部下からの信頼あり、会社から仕事を任される責任重大な役割と言えます。まずリーダーを育てていくにあたって、リーダーの役割をはっきりとさせておく必要があります。
そこでここでは、部下を教育するリーダーの役割についてまとめていきます。
先輩として模範となる
リーダーの大きな役割として、部下に方向性を示しつつ組織を整えていく必要があります。リーダーになるということは、一緒に目標に向かっていくチームができるということです。何も手伝わないリーダーではなく、責任感があり後ろからついていきたいと感じるリーダーの方が部下たちもついていきたいと感じるようになります。
しかし、ただ周りを鼓舞するだけではリーダーとしての役割を果たせません。リーダーは周りに任せた仕事を、自ら模範として示していくことが大切です。そこから結果を出し続けていくことで、周りから信頼されるリーダーとなっていくのです。
組織を見つめなおし整えていく
組織として進む方向が決まっていたとしても、リーダーはチームメンバーが働きやすいような環境づくりを目指さなくてはいけません。道を整備し、メンバーを迷わず前へ進ませてあげることで、成長していくのです。
そのため目標の達成に向けて、リーダーは部下の正しい部署への配置や環境の整備を整えていく必要があります。組織構造の見直しやシステム向上をしていくことで、リーダーとしての役割を果たすだけでなく、会社からも信頼されるようになっていくのです。
方向性を示していく
会社に入ったばかりの人や勤続年数が短い人は、仕事をしていく上での方向性が決まっていないことが多々あります。仕事をしていく中で自分の目標は決まってきたとしても、何に向かって進んでいくのかが明確に決まっていません。
そんな時リーダーが今後の方向性を示してあげることで、仕事に対するモチベーションを上げていくことができるのです。他にもリーダーが今後の目標を導き出してあげることで、部下の将来の展望を明確化していくこともできます。
会社としても仕事に貢献しようと考えてくれる社員が多いに越したことはないので、リーダーは部下を正しい方向へ導いてあげる必要があるのです。
エンパワーメントによって部下にチャンスを与える
エンパワーメントとは「権限委譲」とも呼ばれ、リーダーが持っている権限の一部を分け与え部下にチャンスを与えていくことを意味します。適切な分配を行っていくことで社員のスキルアップにも繋がっていき、会社の生産性向上へと導くことができます。
リーダーがもともと分け与えられた権限でもあるので、部下は責任感をもって取り組むようになっていくのです。ただ失敗を恐れずに業務を全うしてもらうためには、リーダーの資質が求められます。
リーダーが全責任を負うという覚悟のもと、エンパワーメントを進めていくことで周りからも会社からも信頼されるリーダーへと変わっていくのです。
2.ただ、リーダーを育てるのは困難を極める
リーダーの素質を持っていたとしても、いきなりリーダーを務めていくことはできません。そのためにはリーダー育成は必須のものとなっていきますが、理想のリーダーを育てていくというのは困難を極めます。
ではなぜリーダーを育てていくのは難しいのでしょうか?ここでは、リーダーを育てていくにあたっての問題点について解説していきます。
リーダーを育てるための体勢が整っている企業が少ない
リーダーを育てるとなった場合、企業の環境も大切になってきます。例えば、いざリーダー育成を実行に移そうと考えていたとしても、仕事が溜まっていたりして育成環境が整っていないと理想のリーダーを育てることもできません。
まずはリーダーを育てるためには、リーダー育成の環境を作っていくことが大切です。またリーダーを教えていくだけの資質を持った教員役も必要となってきます。誰がリーダー育成を担っていくかを決めることでも、理想のリーダー像は変わっていくので注意しましょう。
経営テーマの中における優先順位が低い
部下を教育することに力を注げることが理想的なリーダー像ですが、優先順位としては低い傾向にあります。経営テーマは企業にとって様々ですが、どうしても育成よりかは企業繁栄に力を注いでしまうのです。
もしリーダーを育てることに力を注ごうと考えているなら、まずはリーダー育成の重要性について会社に理解してもらう必要があります。優先順位を変えてもらうためにも会社のために貢献してくれたり、部下を管理するリーダーの必要性を会社に伝えていきましょう。
管理職になってからの育成では遅い
管理職になった人を対象に行っていくリーダー育成は、ほとんどの場合手遅れとされています。リーダーの育成を、管理職になってから行っていく企業はほとんどありません。なぜならリーダーとは企業に変革を与える軸となる存在となるのが理想的とされています。
これらを考慮すると、管理職になる前にリーダー育成を行うのでは遅くなってしまいます。リーダーとしての心構えやノウハウ、スキルなどを身につけていくにはもっと早い段階で学んでいく必要があるのです。
3.まずリーダーを育成するなら4種類のリーダーを知ること
リーダー育成をしていくことも起業繁栄や部下の成長につながっていくので大変重要です。ただその前にリーダーは4つの種類に分かれることをご存知でしょうか?
パターンとして「チームリーダー」「プロジェクトリーダー」「次世代リーダー」「時期管理者候補となるリーダー」があります。リーダー育成をしていく中で、どの位置を目指してもらうかによって、育成方法が変わってくると言ってもいいでしょう。
そこでここでは、それぞれ種類別でリーダーの意味を解説していきます。
チームリーダー
チームリーダーとは、所属しているチームを管理するリーダーのことを表します。主に目標や目的に向かって指導をしていきつつ、部下1人1人の成果を最大限に活かされるように善処するのがメインの仕事です。
プロジェクトリーダー
プロジェクトリーダーはチームリーダーと似ていますが、主にプロジェクトに対しての進捗管理や部下のタスク管理をしていくことが主な仕事です。
ただ会社によってはプロジェクトリーダーをチームリーダーと呼ぶ会社もあり、部下の指導・プロジェクトの管理すべてを担う場合もあります。
次世代リーダー
次世代リーダーとは、将来的に経営幹部や経営者候補となりうる可能性のある人のことを表します。10年後、20年後を見据えた企業において必要不可欠なリーダーです。
後継者不足に悩む企業が多いのが現実で、次世代リーダーの育成に力を注ぐ企業は大変多くなってきています。
時期管理職候補となるリーダー
時期管理職候補となるリーダーとは、主にマネジメント業務を全うする人になります。会社におけるマネジメント業務はやることが多く、優秀な人材が担う業務となっています。
さらにはマネジメント業務とプレイヤー業務との両立が求められてきますが、他の人との協力をしていくというチーム全体での助け合いが必要です。
4.リーダーの資質となる人物像
リーダーの種類が分かったところで、どのような人がリーダーに向いているのでしょうか?順番にリーダーが向いている人の人物像を見ていきましょう。
全体を見渡すことができ配慮ができる
リーダーとは1人で仕事を行うのではなく、チーム一丸となって仕事を行えるように管理していくことが重要となってきます。全体的な仕事のバランスを見ていくだけでなく、部下のフォローをしていくことも大切です。
なので常に周りに配慮をすることができ、1人1人を見ることができる人材がリーダーには求められます。部下の作業内容を把握し、モチベーションを上げ続けれる人がリーダーの素質があると言えるのです。
仕事に対する責任感がある
チームで行っていく仕事の責任は、主にリーダーが取っていくのが一般的です。そんな中、責任感が全くない人がリーダーになっていたら、部下は安心して仕事をすることができないでしょう。
「どんなことがあっても責任は、リーダーの自分が取る」という人こそ部下はついていきたくなるのです。責任感がある人ほど仕事に対するやりがいを持っている人なので、全体の迅速な業務遂行も可能となってきます。
部下に教えていくことができ成長させれる
仕事に慣れていない状態での業務遂行は、慣れないのうちは困難です。誰もが直面するその期間に丁寧に教えることができ、部下を成長させることができる人がリーダーの資質があると言えます。
さらに成功したことを、純粋に褒めてあげたりすることも大切です。部下の悪い部分ばかりを指摘したとしても成長は見込めません。「いつも頑張ってるよね」といった、何の仕事に対して褒めているのかわからない褒め方も効果的ではありません。メリハリを大事にし、部下から話しやすい雰囲気を作っていくことができる人が求められます。
判断力と決断力がある
仕事をしていると予定通りに仕事が進まない時があります。そんな時にリーダーが必要とするのは、とっさの判断力と決断力です。スピードをもった対応ができる人が、周りからも信頼されやすくなり、リーダーの素質があると言えます。
周りから見ても信頼されている
周りから信頼されてたり、仕事ができて魅力がある人はリーダーの素質があります。リーダーにとって大事なのは信頼です。信頼とはただ仕事をしていくだけでついていくものではなく、普段からのコミュニケーションによっても構成されていきます。
リーダーになっても常に信頼されていないと、周りはついていくことができません。なのでリーダーとなりうる人材を探していくには、周りの意見も聞きながら選んでいくと良いでしょう。
5.部下を育てるリーダー育成を行っていくための大切な5つのポイント
部下を育てることができるリーダーを育てていくためには、それなりの準備をしていかなくてはいけません。実際にリーダー育成を行っていく上で、大切にしなくてはいけないポイントとは何なのでしょうか?
ここではリーダー育成における大切なポイントを5つ紹介していきます。
リーダー育成におけるゴール設定の明確化
リーダーを育成していくにあたって、まずは何を目標としてリーダーを育てていくのかを考えていく必要があります。まずはどのような業務を全うしてほしいのか、部下にどのような指導をしてもらいたいのか、会社としては何をリーダーに求めるのかを理解しておきましょう。
もしゴールを設定せずにリーダーを育成しようとなった場合、最初の時点でリーダーの素質がない人を選んでしまう恐れも。時間をかけたリーダー育成も、一から育成をし直さなくてはいけなくなってしまいます。
しっかりとゴール設定を理解し、リーダーを育てていくかを明確化していきましょう。
企業においてのリーダーの条件の把握
企業によってリーダーの条件は様々です。例えば、部下の業務遂行を全うするために指導するリーダーなのか、部下の仕事に対するモチベーションをあげるリーダーなのかで意味合いが異なります。
まずは今働いている環境において、リーダーの条件が何なのかを把握してから育成に励んでいきましょう。
リーダーになりうる人の選抜
リーダーの育成の前に大切なのが、リーダーとなる人の正しい選抜です。仕事を全うしていたとしても、部下からの信頼がない人はリーダーの資質がないと言えます。まずは周りの人からどのような評価を受けているか、普段の業務内容はどうなのかを確認していきましょう。
そして候補者を見つけたら、会社側としてリーダーに何を求めているかを伝達することも大切です。リーダーになるということを伝え、モチベーションをあげることも育成において重要になります。
リーダー育成環境の整備
リーダー育成において、環境は大切です。育成できる環境が整っていない状態で始めたら、仕事が忙しいなどの理由で放棄してしまい成長につながりません。
まずは仕事内容の改善、人材の確保などの方法で環境を整えて、リーダーを育成できる時間を作っていくことが重要です。
リーダー育成のための設計モデル構築・実施
無計画にリーダー育成を始めたとしても、上手くいかないことがほとんどです。部下を育てるリーダーを育成していくには、それなりのモデルを構築し、実行に移していく必要があります。
そこから検証・報告・改善を繰り返していき、理想の育成プランを構築していくことで今後もリーダーを輩出していくことができるのです。また中には、プランが成功するものもあれば失敗するものもあります。
「なぜ成功したのか?」「なぜ失敗したのか?」を反復して考えることで、リーダーだけでなく企業側も成長していくのです。
6.まとめ
部下を教育していくためには、リーダーの素質が重要となってきます。しかしリーダーとはすぐになれるものではなく、事前に部下を教育できるためのリーダーを育てる環境を作っていくことが大切です。
また、リーダーを育てていくにはしっかりとしたプランを構築していくことも重要ですが、何より目的を明確化していくことも重要となります。会社にとって生産性を上げる存在でもあり、部下を守っていく大切なポジションでもあるので、しっかりと事前準備を行いリーダー育成を実施していきましょう。
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