世界約20億人が利用するFacebook社の採用方法と求められる人物像

今回は世界4大インフラの1つとして数えられるFacebook社の採用について考えてみたいと思います。現在、世界の20億人が利用するといわれているFacebookですが、Facebook社に採用されるためにはどのようなキャリアを積むべきなのでしょうか。また、Facebook社の働き方や入社後に求められる人物像について考え、これからの働き方というものについて考えてみたいと思います。そして最後にFacebook社が今後どのような展開をして、どのような役割を世界で担うことになるのかを予測してみます。

世界を変えたFacebook

ソーシャルネットワークサービスといえば真っ先にFacebookを連想する人も多いと思います。現在では世界で20億人が利用するインフラにまで成長しました。その成り立ちはハーバード大学に在籍していた、マーク・ザッカーバーグのちょっとした悪ふざけからスタートしました。彼は大学のネットワークサイトをハッキングし、女子学生の写真を取得してその顔写真を2枚並べ人気投票を始めました。このゲームは「Facemash」と名付けられましたがハーバード大学にこの事件が発覚し、ザッカーバークは保護観察処分を受けることになりました。ザッカーバークはこの「Facemash」を応用して2004年に交流サイトである「Thefacebook」を作成し、これがアメリカの学生間で大きな話題となり利用されるようになりました。そして、2006年に全世界で利用されるようになりました。現在では世界で20億人が利用するソーシャルネットワークサービスに発展しましたが、使っている人の割合を考えると、よりその利用度が高いことが分かります。まず、我々は世界のどこでもインターネットが使えるかのように錯覚していますが、まだまだ使えない地域も多くあります。またインターネットが普及していたとしても、識字率が低い場合もあるために使える環境がない地域もあるのです。また、中国のようにFacebookをブロックしている国もあるのです。単純に中国の人口が現在14億といわれているため、Facebookを使っている人の割合がいかに多いかが分かります。

Facebookを使えばより多くの人とコミュニケーションを取ることが可能です。全く知らない人同士でも共通の趣味などを通じて気軽に交流できるような世の中になりました。タイムラインに写真を掲載して友人や家族と交流したり、旅行先での出来事などをアクティビティに追加することができます。また、企業の紹介のためのサイトとしても使われることもできるために小規模でのビジネスを告知したり、商品を紹介したりとビジネスツールとしても利用されるようになりました。人生の財産は人との出会いであるといわれますが、今やFacebookは人と人との繋がる大きな手段となったのです。またFacebookは社会運動にも大きく影響を持つようにもなりました。2010年にチュニジアで起こった「ジャスミン革命」では若者の情報を共有したものがFacebookでした。2011年にチュニジアは大統領が亡命し、革命は達成されたのです。この革命に触発されたエジプトでは100万人による超大規模のデモが起こります。これらの運動はイスラム諸国にも大きな影響を与え、「アラブの春」または「Facebook革命」とも呼ばれるものへと発展していったのです。1つのソーシャルネットワークサービスが国の動向にも大きな影響を与える時代となったのです。特に日本ではFacebookの他にもInstagramが広く使われており、「インスタ映え」という言葉が2017年に流行語大賞に選出されるなど社会的な影響力を持つようになりました。

Facebook社は世界で最も働きたい企業1位

アメリカの転職口コミサイトである「Glassdoor」が選んだ2018年の「最も働きたい会社ランキング」においてFacebook社は第一位になりました。また、「Payscale」という企業の給与に関する情報を発信しているサイトがあるのですが、それにはFacebook社の従業員が最も満足度が高く、最も仕事のストレスが少ないと発表されています。具体的にFacebookの社内制度や福利厚生についてお伝えしたいと思います。

<Facebook社のアメリカオフィスで働く場合の福利厚生>

・朝昼晩の食事は無料

・コーヒーやスナックなども無料

・フィットネスジム完備

・21日間の有給休暇

・週に1度は自宅業務でOK

・有給の育児休暇あり

・オフィス内にクリック、歯科医、ヘアサロン、ゲームセンターがある

・クリーニング代金補助

・子どもが生まれた時に約40万円のお祝い金

・不妊治療に対する金銭サポート制度

これだけの福利厚生があると従業員の満足度が高いのもうなずけます。仕事のストレスが少ない理由には「公平な人事制度」があるでしょう。それは人事評価が必ず相互的に評価されるものです。日本の一般的な企業では、部下の評価を上司が行います。部下はその評価に対して何も反論できる機会がないことが多いでしょう。Facebook社の人事評価は1人の従業員の評価を「関連する従業員による評価」「自己評価」「マネージャーによる評価」の3つに分類し、半年の評価を総合的に判断し昇進などが決定されるというものです。こうした公平な人事評価制度というものが従業員のストレスを減らす理由になっているのですが、日本ではなかなか定着しません。日本の企業においては評価制度というものにそれほど多くの時間や労力を使わない傾向が強いのです。その背景には年功序列制度というものが大きく影響していることはいうまでもありません。しかしながら日本でもFacebook社のこうした取り組みを自社に取り入れようとする動きは今後加速することでしょう。Linkedlnが発表した「Top Attractors U.S」というアメリカの企業において優秀な社員を惹きつけることができるランキングがあり、Google、Salesfoceに次いでFacebook社は第3位にランキングされています。世界でもFacebook社は優秀な社員の憧れとなっているのです。

Facebook社のコアバリューとは?

Facebook社の社内にはスローガンのポスターが何枚も貼られています。「5つのコアとなる価値観」が最も有名ですがここで改めて紹介したいと思います。

「Focus on Impact」影響力にフォーカスしろ

「Move Fast」素早く動け

「Be Bold」大胆であれ

「Be Open」オープンであれ

「Build Social Value」社会的価値を生み出せ

これは2012年に株式公開を行ったときに投資家向けに公開された文章に示されたもので、Facebook社の核となる考え方です。Facebook社の存在は、開かれ、つながった世界をつくるためにあることが明確に書かれています。この文章には金儲けのサービスではなく、世界により良いサービスを作るために利益を生み出すという姿勢も打ち出されています。

Facebook社のワークスタイルは自由そのもの

Facebook社のワークスタイルは非常に自由なことで有名です。日本のFacebook社のオフィスにもその自由さが溢れています。社内には福利厚生の設備が整えられており、壁には日本人アーティストが手がけた作品で埋め尽くされています。オフィスの天井はむき出しになっており、わざと未完成のままにしてあります。未完成なのはスタートしたときの志を持ち続けるためのメッセージなのともいわれています。社内にはオープンスペースが多くあり、オフィスの動線もディスカッションや会話が自然とできるような工夫がされています。休憩スペースにはドリンクが飲み放題で、本や雑誌が取り揃えられたスペースやシャワールームもあります。17時からはアルコールを飲んでもOKという決まりもあるほどです。

社員の始業時間や就業時間は社員に一任されています。前述したようにテレワーク制度があり、必ず毎日出社する必要がありません。社員を基本的に信頼し、「どこで働いてもいい」ということを重んじています。今までの日本の企業からすると考えられない制度ですが、社員はFacebook社の世界における役割を把握しており、「1秒を大事に」働いています。会議も30分以内に終了すると決まっているために情報共有が終わっている状態で会議が始まります。Facebook社が提供している「Workplace」がその情報提供に役立ちます。Workplaceは「ビジネス向けのFacebook」ともいえるツールで、「みんなが知らない情報はない」という状況を作り出すことができます。育児休暇も男性の取得率が高いことが特徴的で、男性も子育てを経験することでFacebook社での仕事や組織作りにも活きてくるという考え方があります。実際のプロジェクトの進め方も独特で、Facebook社では食堂やオープンスペースでアイデアを出し、意気投合すれば自分たちでチームを組み、自発的に進めることもあるのです。これまでの日本企業は上司がチームを選び、目標を設定するというものですから仕事をするスタンスが全く違うといことになります。

こうした環境で働くからには、採用される社員は前述したようなFacebook社のコアバリューに沿った行動ができることが求められるのです。オフィスや働く環境の自由さに流されることのない自立した働き方ができることが必須条件となるでしょう。次の章ではより具体的にFacebook社に採用されるまでのプロセスをみていきたいと思います。

Facebook社に採用されるためには

Facebook社は日本では少数精鋭の規模で展開しており、積極的に新入社員の公募を行った実績はありません。ほとんどの採用が社員からの紹介であるリファラル採用で入社しているようです。気になる給与ですが、平均の年収は1,600万円ほどといわれており、基本的には年棒制となっているそうです。日本とアメリカではその給与には大きい差があるようですが、この年収でも超一流クラスといえるでしょう。

完全なキャリア採用であるということは、前線で即戦力になる人材を優先して採用するということになります。日本での採用職種は、エンジニアやデザイナーなどの専門職とセールス職もあります。セールス職と聞いて意外に思う人もいるかもしれませんが、Facebookの広告などを日本の大手企業やネットの広告代理店へ提案する仕事は日本のFacebookのセールスが行います。そのため、Facebook社への転職する手段としての道は大きく2種類あると考えられます。

<Facebook社に採用されるためのキャリアアップ>

・外資系ITベンダー企業でキャリアを積む

・広告代理店の法人営業でキャリアを積む

それぞれ解説していきます。

<外資系ITベンダー企業でキャリアを積む>

外資系ITベンダー企業では、英語力が磨かれることになります。Facebook社のオフィスには当然英語圏のスタッフも多く働いているために英語が話せることは非常に重要です。キャリアとしては、プロジェクトリーダーを務めるほどの実力が求められることになるでしょう。

<広告代理店の法人営業でキャリアを積む>

前述したようにFacebook社のセールス職は、Facebookの広告営業がメイン業務となります。そのために、広告代理店の法人営業はFacebook社の広告営業の仕事とほぼ同種となるために非常に自分をPRしやすいことになります。営業においてもトップセールスのレベルが求められます。Facebook社に入社したらどんなメリットを提供できるのかを明確に伝えられるかどうかがポイントになるでしょう。

キャリアを積み、Facebook社に転職を考える際には主に4つの転職方法があります。

  • Linkedinを利用する
  • Facebook社へのHPへ直接応募
  • 転職エージェントを通じて紹介してもらう
  • リファラル採用(Facebook社に知人・友人がいる場合)

面接では多くの事業部と行う必要があるため、少なくとも4回以上の面接があるようです。面接は日本語と英語で行われるため、英語のコミュニケーションもできる必要があります。最も重要なのは「世界をよりオープンで繋がったものにする」というFacebook社のビジョンを正確に理解し、それを自分のビジョンと重ね合わせることでしょう。マーク・ザッカーバークは「世界はつながることでより良くなる」という考えを持っており、自分がFacebook社にいることで、世界に何をもたらすことができるのかを伝えることが必要となるのです。

Facebook社が目指す未来とは?

普及率と使用率を考えるとFacebook社はこれまで登場した数多くの企業の中でも最も成長している企業といえるでしょう。FacebookやFacebook Messenger、Instagramはスマートフォンで使用されるアプリのランキング10位以内にそれぞれがランクインしています。世界のインターネットユーザーは、ネットを繋いでいる時間の1/6はFacebookを見ているといわれており、わずか20年間という短い期間でこうした影響力を持った成功例は他に存在しないのです。こうして世界のインフラへと発展したFacebook社はこれからどのような未来を目指していくことになるのでしょうか。

まず、未だインターネットアクセスができない35億人をオンラインで繋ぐプロジェクトがあります。これはスペインのMobile World Congressで発表された計画で、インターネットの接続により世界の繋がりをより密なものにするというFacebook社の大きな目標に一致するものでした。そうした環境を作ることで、現在のユーザー数を更に拡大させる一方で、そのコンテンツをさらに便利にすることで、1人のユーザーに対してFacebookの価値を高めるという動きがあります。この文章を書いている2019年6月に大きなニュースが飛び込んできました。Facebook社が新しいグローバル通貨「Libra」を2020年にサービスを始める計画を発表したのです。送金、預金、支払いなどのサービスを「SNS並みの気軽さ」で使える環境構築を目指すとしています。これらはFacebook社が中心となって運営されていきますがPayPal、VISA、Mastercard、Uber、eBay、Spotifyなどが参画を表明しており、将来的には世界的な通貨になる可能性すらあるのです。

Facebook社が世界で最大のユーザーを持ち、世界通貨を網羅し、個人記録、交流を持てる唯一無二のプラットフォームになる日は遠くないでしょう。そんなFacebook社に転職を考えるのであれば、Facebook社で何をしたいのかを考えるのではなく、世界に向けて何をしたいのかを明確に考えることが重要なのかもしれません。

まとめ

さて、今回はFacebook社にスポットを当て採用方法と求められる人物像について考えてきましたがいかがだったでしょうか。最後にまとめてみたいと思います。

・Facebookは世界で20億人が利用するSNSである

・Facebookはマーク・ザッカーバーグの悪ふざけからビジネスモデルがスタートした

・中国ではFacebookは禁止されている

・Facebookは社会運動にも影響を持つようにもなりそれらの運動は「Facebook革命」とも呼ばれる

・最も働きたい会社ランキングにおいてFacebook社は第一位に選ばれた

・Facebook社は自由な働き方に特徴があり、福利厚生が充実している

・日本でFacebook社に採用されるためには完全キャリア採用しかない

・外資系ITベンダー企業でキャリアを積むか、広告代理店の法人営業でキャリアを積むのがFacebook社入社への近道になる

・Facebook社はグローバル通貨「Libra」を2020年にサービス提供を始めるプランがある

・将来的にあらゆる情報の発信はFacebookが独占する可能性がある

Facebook社のミッションは「コミュニティづくりを応援し、人と人がより身近になる世界を実現する」と変更されました。ミッションすら流動的に変化するFacebook社で求められる人材は、こうした早い流れにしっかりと対応する能力を持った人物なのでしょう。

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