HRテックを導入しよう!準備や導入に伴う意識改革に取り組もう

 

HRテックとは、人事業務にテクノロジーを組み合わせた新たな技術です。人材不足や働き方の変化などによって、人事にも変化が求められています。HRテックは、人事業務の効率化・活性化を促すことができるツールと言えます。

様々な人事業務に対応したHRテックが登場しているため、導入を考えている企業も多いことでしょう。今回は、HRテックを導入するために、必要な準備について解説していきます。

1 HRテックにできることを再確認しよう

まずHRテックにできることをおさらいしていきます。HRテックの活躍できる場面を知ることで、自社の人事の問題点が見えてくるでしょう。既に問題点が明らかになっている場合は、HRテックにできることがどのように改善に役立つか、イメージしながら見ていきましょう。

1-1 定型的業務の削減・効率化

HRテックは、人事とテクノロジーを組み合わせた言葉です。HRテックは、アメリカで発祥した技術で、人事管理の必要性から広まっていきました。HRテックの発展の中で、人事業務の大部分を占めていた定型的業務の削減・効率化にも目を向けていきます。

HRテックは、人事業務における労務管理や勤怠管理などに必要なデータを収集・活用することで、人事の負担を大幅に軽減します。人材不足は、企業全体はもちろん、人事部にも顕著になってきています。人事部の人材不足をテクノロジーの導入で解決し、さらに向上する可能性を秘めています。

1-2 人事データの管理・分析

人事に関わるデータは多岐に渡り、データ量も膨大です。HRテックは、クラウドサービスを利用しています。人事データの管理については、自社のデータベースを作る手間やコストをカットし、一元的に管理することができます。

人事データは管理するだけでなく、分析・活用することも求められます。自社の従業員や求人情報などを分析することで、従業員の成長や効率の良い人材獲得につながります。HRテックは、管理したデータを取り出しやすいため、データの活用も簡単にできるようになります。

1-3 企業の活性化・人材確保

企業の業績アップなど企業活動の活性化には、優秀な人材の確保が不可欠です。「自分の能力を発揮したい」「待遇の良い企業で働きたい」などの考え方も多くなっている現代では、対策がないと、優秀な人材が流出する可能性があります。

HRテックには、研修管理や人事評価管理などの人事業務に特化したツールも存在します。人材に対して、スキルアップやキャリアアップを実現できるように、HRテックを駆使して、育成戦略や適正配置をすることが可能になります。人材目線の企業づくりを実現し、優秀な人材が活躍し続ける環境を作ることができるでしょう。

2 どのようなHRテックがあるかを知る

HRテックは、日本にも浸透し始めています。様々な人事業務に関わるHRテックのサービスが登場しています。HRテックにできることを踏まえた上で、HRテックを導入したい業務を細かく見ていきましょう。具体的なHRテックサービスも紹介していきます。

2-1 勤怠管理

HRテックサービスの中でも、特にサービスが多いのが勤怠管理です。勤怠管理は、従業員の出退勤や有給休暇消化などの把握に欠かせない人事業務で、最も基本とも言うことができるでしょう。

残業や休日出勤などが問題視されている現代では、適切な勤怠管理が必要です。HRテックを使用することで、勤怠情報が一目で分かるようになります。適切な労働を促すだけでなく、勤怠情報から従業員のモチベーションなどを分析することも可能です。

勤怠管理の主なHRテックサービスを以下の通りです。

・ジョブカン

・クラウド型勤怠管理システム

・freee勤怠管理

・jinjer勤怠

・バイバイタイムカード

2-2 給与管理

給与管理も欠かせない人事業務です。従業員の給与を勤務日数や残業、有給などを踏まえて、計算し、正しい給与を算出しなければいけません。これまでの給与管理は、電卓やエクセルなどで計算していたため、手間と時間がかかっていました。

給与管理にHRテックを導入すると、役職や区分などを設定したり、手当を加算したりするなどを自動で行うことができます。給与明細についても自動作成が可能になります。データでの従業員への送信やオンラインでの振り込みなど、給与に関わる人事業務が効率化されます。

主な給与管理のHRテックサービスも確認しておきましょう。

・freee

・やよいの給与明細 オンライン

・フォーカス給与明細クラウド

2-3 労務管理

労務管理は、従業員が働くための契約や従業員を守るための保険など手続きに関わる人事業務です。書類による手続きが多いため、書類の不備があり、修正に時間を取られたという経験がある方も多いでしょう。

労務管理にHRテックサービスを取り入れると、書類作成や手続きを効率化することができます。雇用契約や社会保険・雇用保険の加入などがスムーズになります。

HRテックサービスには、人事業務のセルフサービス化という視点もあります。スマートフォンやタブレットなどの端末を利用して、いつでもどこでもデータの入力や提出が可能になります。人事がデータを参照して入力することに比べ、本人が入力することで確かな情報源となり、ミスも減り、無駄な労力をカットすることができます。

労務管理の主なHRテックサービスは以下のようになっています。

・SmartHR

・ジョブカン労務管理

・人事労務 freee

・Bizer

・奉行Edge 労務管理クラウド

2-4 経費管理

企業運営のためには、経費管理も欠かせません。帳簿に手書きで付けていたり、領収書をとっておりたりするなどの方法で、経費を把握していることも多かったでしょう。使用した経費の管理だけでなく、経費使用の申請なども経費管理に含まれます。

経費管理ツールを導入すると、経費申請・承認・管理をシステムで一元的に行うことができます。ツールは、パソコンだけでなく、スマートフォンでも利用できるため、出先でも簡単に申請ができ、便利です。

どういった用途で経費が使われているのかを可視化でき、経費の分析を運営に役立てることも可能です。主な経費管理ツールを見ておきましょう。

・経理参上

・皆伝!経費精算

・経理精算ソリューション Systemaflow

・経費精算freee

・MFクラウド経費

2-5 人材管理

人材管理には、人材配置や人事評価、モチベーション管理などが含まれています。タレントマネジメント管理とも呼ばれ、人材が活躍できる環境を見つけたり、人材を適切に評価したりすることができます。

人材管理は、従来管理職などによる主観的な判断によって行われてきたと言えるでしょう。「彼は〇〇部に適しているだろう」「やる気がないように見える」など、確かな根拠がないこともあります。

HRテックサービスを人材管理に導入することで、人材の特性や仕事や企業に対する姿勢をスコア化することができます。人材にあった適切な配置をおこなったり、人材の変化に気づいたりすることを可能にします。

タレントマネジメントやパフォーマンスマネジメントなど人材重視の人材管理が広がってきているため、主な人事評価ツールをチェックおきましょう。

・カオナビ

・ゼッタイ!評価

・HR-Platform

・モチベーションクラウド

・jinjer ワーク・バイタル

2-6 採用管理

人材不足が叫ばれる現代では、人事にとって欠かせない業務です。採用業務は、求人情報の作成や情報の管理、選考、内定者のフォローなど多岐に渡ります。新卒採用においては、年に1度の機会でありながら、採用業務に忙殺されて、分析ができないということも考えられます。

HRテックの採用管理システムを導入すると、採用に関わるデータを管理・可視化し、分析を可能にします。自社で活躍している人材の特性をもとに採用活動をしたり、求職者とのコミュニケーションをスムーズにしたりできます。

新卒採用や中途採用、アルバイト採用などに特化したHRテックがあるため、自社で採用したい人材に合わせた導入が可能です。主な採用管理HRテックをチェックしておきましょう。

・リクナビHR Tech

・ネクストリクルーティング・システム

・バイトルマスター

・リクオプ

・MyRefer

3 HRテックの導入のために企業がすべきこと

様々な人事業務を効率化・活性化することのできるHRテックですが、導入するだけで効果を発揮するわけではありません。どの人事業務にHRテックを活用するのか、活用できる人材がそろっているのかなどを考慮する必要があります。HRテックの導入における準備について詳しく見ていきましょう。

3-1 HRテックを導入する目的を明確にする

HRテックを導入して上手く活用できないという事例には、HRテックの導入が目的化している例が挙げられます。HRテックの導入が日本にも広まっている中で、目的が明確ではないにも関わらず、導入してしまうと、運用に混乱が生じたり、効果を実感できなかったりすることが考えられます。

HRテックを導入する前に、まず導入する目的を明確にしましょう。例えば、給与管理に時間をとられているのであれば、給与管理に特化したHRテックを導入することで、自社の問題点をピンポイントで解決することができます。

採用を活性化したい、人材確保に力を入れたいという理由であれば、人材管理ツールや採用管理ツールを組み合わせて、導入するのも一つの方法です。

3-2 HRテックを活用できる人材の確保

HRテックは、データを一元管理・分析することで、様々な人事業務の効率化・活性化を実現します。HRテックを導入しても、使いこなすことができなければ、十分な効果は得られません。

HRテックを理解し、活用できる人材を確保することも導入の準備に不可欠です。HRテックを使いこなすためのパソコンやタブレット、スマートフォンの扱いに慣れていることも求められます。

歴史の長い企業など、年齢層が幅広い企業では、知識に差があるかもしれません。どんなに便利なテクノロジーでも人が扱うということを念頭におき、HRテック導入の準備・検討をしましょう。

3-3 人事データの収集

HRテックで管理・分析する人事データをあらかじめ収集しておきましょう。社員一人一人のデータを集めておくことで、様々なHRツールで管理・活用することができるようになります。

基本的な社員データも大切ですが、社員の意識調査なども収集しておくと便利です。アンケートや面談などでヒアリングした勤務状況や退職理由などを、企業の運営や今後の企業活動に生かすことができます。

HRテック導入後、人事データがなかったり、テクノロジーに対応していなかったりすると、効果を発揮することができないため、注意が必要です。

3-4 HRテックサービスを見極めよう

HRテックサービスには、各人事業務に対して、多くのサービスがあります。解決したい人事業務が明確になったら、どのHRテックサービスが適しているかを見極めましょう。

主に検討したいポイントには、経費や機能、使いやすさなどが挙げられます。特に使いやすさは、HRテックの浸透に重要なポイントです。アプリでも使うことができるか、シンプルな操作かなどによって、年齢層を問わず利用できることにもつながります。

4 HRテックの導入と合わせて意識改革をしよう

HRテックを導入したことで満足しないようにしましょう。定型的業務の効率化など目に見えやすい効果を、より企業の発展につなげるためには、HRテックの導入と合わせて、意識改革も必要です。HRテックによって、生み出された時間や有効なデータを活用できる人材・組織になることを目指しましょう。

4-1 HRテックが生み出した時間を活用する

HRテックを導入することによって、定型的業務から解放される場面が多くなるでしょう。勤怠管理や給与管理、労務管理などが効率化されることで、時間が生み出されます。導入前と同じ働き方では、時間を無駄にしてしまいます。

採用活動や人材育成に時間を活用することができれば、人材不足への対策をすることもできるでしょう。自社の力を入れたい事業に人材配置を厚くするなど、体制の変化も効果的です。

スムーズに意識改革を始めるには、HRテックの効果や導入後の変化を周知しておくことが求められます。システム面と意識面の両面で準備が必要です。

4-2 コミュニケーション主体の体制を作る

HRテックで代替できる定型的業務は、作業的な面が多く、個人で仕事に取り組むことも多くなるでしょう。HRテックは、時間だけでなく、社員同士のコミュニケーションも生み出します。

定型的業務から採用などの創造的業務に移ることで、コミュニケーションを主体にする必要があります。HRテックを導入し、コミュニケーションが活発になるのではなく、コミュニケーションに主体的に取り組むことで活性化されます。

あくまでHRテックは、システム面の効率化です。従業員の意識を変え、コミュニケーション主体の体制を作ることが、企業の発展につながっていきます。

4-3 経営に参画する戦略人事になろう

HRテックの登場によって、人事の役割が変化しています。従業員を支える業務や手続きなどが主体であった人事ですが、企業の経営に積極的に関わっていく戦略人事と呼ばれる人事像が求められています。

企業の経営戦略に対して、ビジネスパートナー、組織開発、コンサルティングなどの役割を担います。これまでの人事よりも、従業員のサポートに力を入れ、人材育成、組織運営にも関わっていきます。企業の業績目標に向けて、人事部から土台を作ることができます。

戦略人事は、経営に近い場所に関わっていくため、専門的な知識や能力を求められます。人事のプロフェッショナルであること、企業目標や経営戦略を理解していること、コミュニケーション力などが不可欠です。HRテック導入に合わせて、戦略人事の育成にも取り組んでみましょう。

5 まとめ

HRテックは、日本でも注目されており、導入を始めている企業も多くあります。様々なHRテックサービスがリリースされています。HRテックの導入にあたっては、HRテックを導入する目的を明確にすることが大切です。改善したい業務をピックアップし、適したHRテックサービスを導入するようにしましょう。

HRテック導入にともなう意識改革も求められます。HRテックを最大限に生かすために、運用する人側も変化する必要があります。HRテック導入の準備をシステム面、人材面でしっかり行い、企業活動を発展させましょう。

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