HRテックのメリットとデメリットを理解して人事戦略に役立てよう!

近年、テクノロジーの普及により様々なことの実用化に成功し、私たちの生活や仕事など様々な場面において、大変便利で使いやすいものにしました。その余波は人事にも広がりを見せています。HRテックは、メリットとデメリットを理解して、正しく利用しなければいけません。使い方を間違えてしまうと、人事戦略は失敗に終わります。ここでは、HRテックについて、具体的に解説します。

 

テクノロジーの進化に伴って、さまざまな場所でITが導入されるようになりました。そして、その動きは人事部門にも到達しています。人事領域で活用されるテクノロジーのサービスこそが「HRテック」です。政府が働き方改革を発案してから、HRテックの市場は拡大し続けています。そんな広がりを見せるHRテックを利用することで、人事関連の業務を大幅に効率化していくことができます。自動化もできるため、時間短縮やコスト削減に大きな効果を発揮していきます。

HRテックは、さまざまなメリットがありますが、デメリットも存在します。本来、優秀な人材を採用して長期的に職場で活躍してもらう目的でHRテックを導入していきますが、間違った使い方をしてしまうと逆効果になってしまうのです。ここでは、そのようなHRテックのメリットとデメリットについて解説していきます。人事担当者は、ぜひ目を通してみてください。

HRテックとは

HRテックとは、Human Resourceと Technologyを掛け合わせた造語です。テクノロジーの力を借りて、人事領域の業務の効率化を図っていくことをいいます。ビッグデータやAIのテクノロジーはもちろん、クラウドサービスの活用などによって業務効率化を行っていくこともHRテックとして含まれます。

HRテックの市場について

従来からHRMS(Human Resource Management System)というサービスがあり、給与の支払い業務などにテクノロジーが活用されることはありましたが、人事採用にテクノロジーが活用されることは多くありませんでした。しかし、政府が労働力不足による働き方改革を発表したのと同時に、HRテックのサービスは普及していったのです。

近年では正社員やパート、アルバイトにとどまらず、さまざまな働き方をする人が増えています。そのため、人事に関する情報も煩雑化していき、情報を集約できるHRテックが注目視されるようになったのです。日本国内のHRテックの市場は、2015年度には約70億円でしたが、2017年度には184億円に伸びました。日本国内におけるHRテックは勢い良く伸びていて、2021年度に市場は613億円になると予測されているのです。

HRテックが注目される背景

HRテックが急速に注目されることになったのには、日本ならではの背景があります。ここでは、その背景について確認していきましょう。

働き方が多様化して情報が煩雑しているため

日本は、少子高齢化社会で、働く人の人口は減少の一途を辿っていると言われています。また、正社員での終身雇用形態は終わりを迎えようとしているのです。現代の雇用形態は、正社員やパート・アルバイトとしての働き方だけにとどまらず、リモートワーク、フリーランス、時短勤務社員など、従業員それぞれ個々のワークスタイルに合わせた働き方があります。働き方や価値観が多様化している現代の人事業務に対応するためには、これまで以上にさまざまな情報を管理できなくてはいけないのです。

また、そのデータを分析しなければいけません。このようにハイパフォーマーな人事業務が求められるため、業務量も多く人の力だけではなくテクノロジーを利用する必要が出てきました。

クラウドサービスなどのITテクノロジーが進化したため

人事業務に関するソフトウェアは、パッケージ商品として販売されていました。その場合、1つあたりの値段が高額になってしまい、簡単に導入することができません。しかし、近頃はライセンス形式のサービスが登場して、必要なものだけを借りることができるようになったのです。パッケージ商品を購入するよりも安くサービスが利用できます。このような、クラウドサービスの普及によって、人事の業務にもテクノロジーが活用されるようになってきたのです。

また、スマートフォンの普及も重なり、各従業員にスマートフォンを貸し出す企業も増えています。クラウド内で情報を管理することで、オンライン環境であれば、外出先などどこでも情報を閲覧できるようになります。これまで、社内でしか情報を閲覧できなかったのが、クラウドサービスとスマートフォンの普及によって、大きく変わろうとしているのです。場所や時間を選ばずに、情報を閲覧できるようになるので、業務にかかる時間を大幅に削減することができるのです。

人材採用が難しく競合優位性を意識した人事戦略が必要なため

少子高齢化に伴って、働き手は減少していて、優秀な人材を採用することは難しくなっています。そのため、人材採用を計画する際に、競合優位性を考えなければいけません。現在は、福利厚生などに着目して、入社するメリットを求職者に伝える企業は増えてきました。これも1つの人事戦略でしょう。

このような人事戦略を考えることは非常に大切です。しかし、人事担当者は通常の業務に追われて、そのような戦略に時間を割り当てることができません。人事戦略に時間を割り当てるためにも、HRテックは導入されていくのです。

戦略的な業務に時間を多く割り当てられる人事担当者がいる会社こそ、優秀な人材を獲得していくことができるのです。人材不足が深刻化していく中で、人事戦略は必要不可欠なものへと変化しています。

HRテックを活用することによって得られるメリット

働く人口の減少や働き方の多様化によって、ますます注目を集めているHRテックですが、HRテックを利用することで、さまざまなメリットを得ることができます。

コスト削減・業務効率化

これまで紙で回収し得たデータをソフトウェアに入力していましたが、そのまま電子データで保存ができます。ペーパーレス化を行うことによって、印刷代などのコストカットにつながります。また、HRテックを利用すれば、雇用保険や社会保険の手続き、従業員の入退社の手続きがオンライン上で行えるようになります。これまで、市役所などに出向いて手続きを行っていたと思いますが、オンライン上で手続きが行えるのです。そのため、市役所に出向かずに手続きを完了することができます。

HRテックは、スマホやタブレットでの情報入力が可能です。住所変更などの手続きは、従業員各自で手続きを行ってもらうというセルフサービス化もHRテックの登場に伴って増えています。これまで、人事担当者が手続きをしていたことを、各従業員にしてもらうことによって、業務が短縮できるだけではなく、転記ミスなどの人的ミスも回避することができるのです。このようにHRテックを利用することで、コスト削減や業務効率化ができます。

従業員データの情報を一元管理できる

履歴書や個人情報など、これまで紙で管理をしていた人事に関する情報をデジタル化していくことで、瞬時に情報が取り出せます。資料探しには1日平均10分以上かかっているという調査報告もあがっているように、情報管理は業務効率化を考える上では外せないものなのです。

また、従業員のデータを一元管理することで、さまざまなデータ解析を行うことができます。HRテックを利用すれば、各従業員がどれだけ企業に貢献しているのか、目標到達度はどれぐらいなのかを確認することができます。そのため、人事考課や人材配置を検討する際に役立つデータを取得することができるのです。

さらに、ビッグデータを解析できるAIによって、成長機会を望んでいる従業員や退職の恐れがある従業員を見つけ出すことができます。これまでの人事評価とは異なり、多角的なデータに基づく分析データから評価を表すことができるので、従業員も納得しやすく、各従業員のエンゲージメントも高める役割を持ちます。

戦略的な人事マネジメントに注力できる

社内情報を一元管理して、人事業務を効率化することによって、人事担当者の業務はより戦略的な業務が行えるようになり、また求めたれるようになります。これからの人事採用担当者に求められることは、経営者と同じ目線になって、人事面から助言ができるプロフェッショナル性です。そのため経営者の目線で物事が考えられるようにならなければいけません。ビジネスモデルや、社内の強みや弱みを俯瞰的に見ていき、必要なときには助言をしていくのです。HRテックに対する理解を深めて、業務効率化を目指していくことはもちろん、経営に関する知識も必要になってきます。

また、いくらHRテックを使いこなすことができても、データの説明を上手に行えなければ意味がありません。人事戦略を提案する際は、熱量とコミュニケーションが求められるでしょう。このように、人事担当者はより高い水準のスキルが求められます。戦略的な人事マネジメントに注力できるようになることは、会社に大きな革命をもたらすことに繋がるでしょう。

HRテックを導入する具体的なシーン

HRテックにはさまざまなメリットがあることを理解いただけたと思います。実際にHRテックはどのようなシーンで利用されるのかを確認していきましょう。

人事データの管理・評価

従業員の情報や人事評価の情報などを適切に管理することは非常に大切です。これらの情報は、非常にデリケートなのは人事担当者であれば周知のことと思います。その一方で、人事異動など人事考課の際に必要になる情報のため、情報を収集するのにスピードが求められます。正確に管理されたデータが、必要なタイミングですぐに活用できることが大切なのです。それを実現できるのがHRテックです。また、収集したデータを元に、さまざまな解析を行えます。結果を表やグラフに出力することもできるので、経営者に説得させる提案を行うことができます。

入社手続きや勤怠管理などの業務フロー改善

入社手続きのオペレーション業務は、手間暇がかかりました。雇用保険や社会保険の手続き、住所変更などは市役所に出向かなければいけませんでした。しかし、HRテックを活用すれば、これらの手続きをオンライン上で完結させることができるのです。HRテックを活用することで、入社手続きや勤怠管理などの業務フローを大幅に改善していくことができます。

ナレッジマネジメント

これからの日本では、正社員やパート・アルバイトに関わらず、時短勤務やリモートワークの方などさまざまな働き方が出てくるとお伝えしました。その中で社内のコミュニケーション不足は以前から問題視されていましたが、この問題は引き続き課題となっていきます。働き方も多岐に渡るため、課題はより深刻化していくことでしょう。従業員の行動や発言は、社内SNSやコミュニケーションツールを活用することで可視化し円滑にできます。

そのため場所や時間に縛られず、従業員がスマートフォンなどでいつでもアクセスできる環境を用意しておくことが大切です。積極的な姿勢を評価や承認につなげていくことで、従業員のモチベーションを高めていくことができます。

組織診断などのサーベイ

従業員の仕事や会社に対する満足度や、キャリア上の目標などをアンケートに回答してもらい、定量化することで問題点を可視化するサーベイにも、HRテックは活用できます。これまでアンケートフォームやエクセルなどで行っていた調査が、HRテックのサービスで実現可能となります。従業員はスマートフォンから回答できるため答える側の負担も少なく、人事側も情報収集が楽になります。収集したデータはAIによって解析されていき、人事における戦略に役立てていくことができます。HRテックを導入することによって、強い組織力を構築していくことができるのです。

HRテックはあくまでも補助ツール

HRテックを利用すれば、人事業務は捗りますが、全てを解決できるわけではありません。人間の意志で行わなければいけない判断などは、当たり前ですがHRテックに任せることはできません。HRテックを使うことで、人事担当者のルーティンワークは、大幅に効率化されていきます。

人事担当者は、そのおかげで戦略的な業務に注力できるようになっていくのです。少子高齢化のため今後はさらに人手不足になることが予想されているので、優秀な人材を獲得することこそが、競合優位性に立てる要因となります。そのため、人事戦略を練ることは非常に重要です。そのための補助ツールということで、HRテックを上手に活用していきましょう。

HRテックのデメリットも覚えておくこと

HRテックは、人事関連の業務効率を大幅に改善できることをお伝えしてきました。人事採用や従業員を定着させるには、定量的情報に頼ることも必要ですが、それだけではない定性的情報も深く関与しています。機械では判断できないこともあるのです。

テクノロジーに依存ばかりしてしまうと、システマティックでドライな職場になりやすく、従業員が定着しない恐れがあります。そのため、HRテックに頼るべきところと、そうではないところを人事担当者は見極めていかなければいけません。

先ほどもお伝えしたように、HRテックは業務効率化のための補助的なツールです。人事担当者はHRテックを上手に活用していき、従業員のエンゲージメントを高められる職場環境づくりを行っていかなければなりません。すべてをテクノロジーに依存してしまうと、人事戦略は失敗に終わってしまうでしょう。

まとめ

HRテックは、業務効率化や適正な人事評価をするために大きな効果をもたらすツールであることは理解いただけたと思います。人事採用者の方はHRテックを活用し、業務を効率化して、戦略的な業務を行っていくことが今後は求められていくのです。

そのため、HRテックの理解を深めることは必要不可欠といえるでしょう。非常に便利なサービスですが、依存しすぎてしまうと、ドライでシステマティックな人事に変わってしまいます。

人事は数値では測れない部分があります。行動や言動など数字で表せない部分を人が見ていくことで、社内で働く従業員のエンゲージメントを高めていくことができます。人事採用担当者は、HRテックのメリットとデメリットを認識して有効に活用するようにしましょう。

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